香月の「トレド」は、スペイントレドに実際にお出かけになった事のあるお客様にも、一度も訪れた事のないお客様にも、とても評判の良い作品です。
シベリアシリーズの印象から香月作品には男性ファンが多いという思い込みは、この頃すっかり捨て去りました。
香月の作品はオシャレ!
今まで近代日本洋画にご興味のなかった女性のお客様が最初に入手されたのが、香月のデッサン的な小品。そんなケースも実際にありました。
落ち着いたら、一人旅をし、いろいろな美術館さんにまた伺ってみたいなぁという淡い夢があります。
香月の出身地山口県の香月泰男美術館さんのサイトを久しぶりに覗かせていただくと
こんなチラシと美術館さんの文章を見つけることができました。
香月は1950年代”厨房の画家”と呼ばれるほど、食材を数多く描きました。とりわけ魚は種類も豊富で、近隣の漁場の豊かさが感じられます。魚は香月にとって”私の味覚神経をそだててくれた”と記すほど身近な食材でした。
海はどうでしょうか。香月の故郷、現在の長門市三隅は日本海に面していますが、積極的に選んだモチーフではなかったようです。一方、旅先では、海辺や海岸、船上から見た海を描いています。
香月の描いた魚や海からは、ユーモラスさ、命への慈しみ、自然の織り成す美しさの表現を感じていただけることでしょう。会場には香月が好んで食した魚や、美しいと感じた海が並びます。どうぞお楽しみください。
海はどうでしょうか。香月の故郷、現在の長門市三隅は日本海に面していますが、積極的に選んだモチーフではなかったようです。一方、旅先では、海辺や海岸、船上から見た海を描いています。
香月の描いた魚や海からは、ユーモラスさ、命への慈しみ、自然の織り成す美しさの表現を感じていただけることでしょう。会場には香月が好んで食した魚や、美しいと感じた海が並びます。どうぞお楽しみください。
「地元の海を描かずに、旅先の海を描く・・」
結局香月の作品全体を通して感じられるのは、シベリアの体験を得て、この作家が命をどう捉え、何に「美」を感じたか?ということだろうと思います。
「トレド」は香月が旅先で出会い、美しいと感じ、描きたいと思った場所。
香月らしい描写技術も十分に発揮され、異国情緒、ある種の気分の高揚さえも感じられる作品だろうと思っています。
今回ショーウィンドウにこの作品を飾らせていただいたのは、時々当店の幾つかの作品をご覧になりに自転車を漕いでいらしてくださるお客様に、私が店にいなくても、この作品をお楽しみいただくためです。
作品をお持ちになることはできなくても、シベリアシリーズの香月作品への憧れをずっとお持ちでいらっしゃるお客様もまだ多くいらっしゃいます。
お買い物ができないからと、ご遠慮をなされて、汗びっしょりになって自転車をこがれてきても、椅子にも腰掛けず、私のお出しするお茶も遠慮される。
年金でお暮らしと聞いていますが、きっとご商売をされてきた方だろうなぁと思え、その律儀さに「買わないお客様」というレッテルを勝手につけてしまうのは良くない事と、反省をさせられます。
今の私は、皆様に大変お世話になりながら、その感謝の気持ちさえ空回りをしてしまっているように感じるのです。
この香月作品がこれからどこへ嫁いで行くのか?
佐橋のいないこの店ではその楽しみも途切れてしまうのか?
本当の感謝の心を探せるまで、私はきっとこの仕事のギリギリのところを、しばらく歩いていくのだろうと思います。
香月泰男「トレド」8M
キャンバス・油彩
香月鑑定会
追伸
ブログの記事の整理が進まず、過去の価格設定をそのまま表示させていただいている作品もございます。現在の価格につきましては、恐れ入りますが、メールなどでお問合わせくださいますようお願い申し上げます。