残暑お見舞い申し上げます。
連日厳しい残暑が続いておりますねぇ~
名古屋らしいといえば名古屋らしい…ドョーンとくもって湿度の高いこの暑さに…いささかこちらもボヨーンとして参ります。
そんな夏休みを私達は珍しく名古屋で、いくつかの展覧会に伺いながら過ごしています。
※名古屋市美術館 「レンブラント-光の探求 闇の誘惑-」 (9月4日まで)
※碧南市藤井達吉現代美術館 「画家たちの二十歳の原点」(9月19日まで)
どちらもなかなか見応えがありました。
お休みを頂いている間に自分たちの店にも時々寄り、作品を見ておりますが
やはり今ひかれるのはこの作品でしょうか?
小林古径「むべ」です。 (画像が乱れています。申し訳ありません。)
その昔この実を食した天智天皇が「むべなるかな」と洩らした言葉に由来する、あけび科の低木で晩秋に赤紫の実をつけるそうです。
「一番好きな画家は?」と聞いて頂くと、私は決まって名前をあげるのが「小林古径」です。
厳しいと思える程の緊張感あるその美しい線をみていると、なぜか敬虔な気持ちになります。
古径の作品にはあまり駄作が見当たらず、自分の作品にも厳しい目を向けていた画家だったのだろうと思いますが、なるほどこの「むべ」も毎日みていると日に日にその美しさを増す作品です。
何よりもこのむべの実の美しい色合い。
それをいかすような品のよい葉の配置、ツルを描く絶妙な筆つかい。
無駄なく、しかし華やかさを失わず、誠に見ていて心地よい作品です。
「らしさ」
難しい言葉ですね。小林古径らしさ。何を描いてもその画家らしい作品が描ければ、その作家は一流ということになりましょう。
だとすれば、佐橋美術店のらしさとは? 一流の画家、一流の作品を扱えばその画廊の質があがる!そう思い、この10年を過ごしてきたつもりでおりますが、どうもそうばかりではないような気がして参りました。
では、どう努力すれば??
美術館をめぐりながら、色々ヒントを頂いて残りのお休みを過ごします。
※小林古径「むべ」は納品のため画像を削除させていただきました。