つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

牛島憲之作品

2014年05月28日 | 絵画鑑賞

























本日遠方のお客様より、牛島作品についてお問い合わせを頂きました。

 

牛島の作品にご興味をお持ちいただき、大変嬉しくお話をさせていただきました。

 

誠にありがとうございます。

 

 

 

今年の新春展でこの二つの牛島作品を並べ、ご来店の皆さまにお楽しみ頂きましたが

 

ブログでのご紹介をしておりませんでした。

 

今日、せっかく機会をいただきましたのでこのページで皆さまにご覧頂こうと思います。

 

 

 

牛島憲之(1900~1997年)は「静謐の画家」と呼ばれる日本を代表する洋画家の一人です。

 

都会的センスと知的な気品にみちる画面の奥には、
画家の深い精神性と気の遠くなるような描き込みの作業が隠されています。

 

油絵具を使い、ここまで日本の風景を「静かに」描ける画家に他にいたでしょうか。

 

独自に構築された画面のなかに、

牛島の日本人らしい豊かさや温かな愛情を強く感じることができるように思います。

 

 

 

 

 

共に昭和40年代、牛島68歳、70歳の作品で、西伊豆の同じ場所から描かれた作品だと考えています。


サムホールの方は空、波、舟に動きが感じられ、6号の方は穏やかな晴天の日の風景であるように観ておりますが、如何でしょうか?

今回6号の作品には「牛島縁」と呼ばれる額を新調し、サムホール作品と同じように作品に自由な広がりを感じていただけるようにいたしました。

縁あって、同じ場所を描いた二つの作品を所蔵いたしました。

これもまた画廊の仕事の楽しみの一つのように思えます。


 

 

「伊豆の富士」 6号 キャンバス・油彩 

 

※納品の為作品画像を削除させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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野田弘志  油彩

2014年05月27日 | 絵画鑑賞

しばらく作品のご紹介をお休みしてしまいました。

 

4月・5月の新しい作品からご覧ください。

 

 

 

野田さんは油彩・写実絵画において日本を代表する画家のお一人です。

 

最近は特に写実的な絵画をお求めのお客様が増え、その技術を競い合うかのようにお若い作家さん達が活躍され始めていますが、野田さんの作品には技術を越え、祈りにも似た静寂を感じることができるように思えます。

 

 

 

以下写実絵画専門の美術館、ホキ美術館さんに野田さんご自身がお寄せになった言葉を転記させていただきます。

 

 

制作において、一番大事なのは理念のようなものだと僕は思います。それが「存在」です。1年に1点描くのが理想です。それも1年で描けるかどうかわからないです。それは完成度を上げるということではなく、髪の毛をもっときちんと描くというのではなく、本質的に存在の重みが出るかどうか、そこまで行かなければならない。そうするとこれはノウハウではなく、ひたすら念じて描き続けてそれが出るまで描くということになります。

 

。最終的に画面全体が全部崇高で神聖な空間にならないと出来上がったとはいえない。いらないものを全部そぎ落す。強く、そして純潔で、密度が高くて緊張がある。存在の絶対化に向けての挑戦ですね。ギリシャ神殿のようなものが理想なんです。

しばらくこの作品を当店のギャラリーに展示させて頂きます。お近くのお客様は是非ご覧ください。

※納品の為画像を削除させて頂きました。

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芍薬

2014年05月22日 | 日記・エッセイ・コラム

 

アニバースさん(お花屋さん)から月曜日に届けて頂いた芍薬が満開になりました。

 

 

蕾のときにはちょうどよかったけれど、いまは花びらの重みで古銅の花瓶が小さく見えてしまいますね。

 

 

 

花は、その季節の気分にぴったりの美しさを兼ね備えて咲くのだとこの頃になってやっと気づきました。

 

この芍薬の花の色、花びらの重なり具合、茎と花のバランス、葉の形、葉の付き方さえも過不足なく、5月の今にぴったりの美しさです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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バルテュス展 

2014年05月21日 | おススメの展覧会、美術館訪問

 

 

上京の際、東京都美術館の「バルテュス展」に出かけて参りました。

 

今年楽しみにしていた展覧会の一つです。

 

何の知識もないまま展覧会情報誌の「夢見るテレーズ」(上画像)を見て

観てみたい!」と素直に思いました。

 

日曜日のためか、私の想像を超えた混雑ぶり。作品を見るのもゆっくりとはいきませんでした。

 

「この画家はなにもの?」そう思って入館したのは私だけだったのでしょうか??

 

 

 

 

 

 

 

バルテュスは1908~2001年、パリで生まれ、晩年をスイスで過ごしました。

 

絵画のどの流派ににも属することなく、独学で美術を学び、独自の具象絵画の世界を築いた画家です。

 

画面に多く現れる猫。

 

扇情的なポーズをとる少女たち。

 

美しい日本人の妻。

 

どの作品をとっても妖しく、奇妙で、狂人的でありながら

 

高潔で美しい。

 

さびしくて、温かい。

 

確かなものを

・・「情」「愛」でしょうか・・感じます。

 

 

展覧会に展示されている全てがバルテュスの世界の魅力そのものでした。

 

 

 

 

 

http://balthus2014.jp/

バルテュス展は6月22日まで上野東京都美術館で開催中。

7月5日~9月7日までは京都市美術館にて巡回展が開催されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ミレー展 名古屋ボストン美術館

2014年05月21日 | おススメの展覧会、美術館訪問

Mire_2














http://www.nagoya-boston.or.jp/millet/index.html




名古屋ボストン美術館のミレー展に出かけて参りました。

 

19世紀フランス絵画の巨匠ミレーの作品を中心に

 

彼の活躍の場であったバルビゾン村、フォンテーヌブローの森に集った20作家の作品を紹介する展覧会です。

 

 

ミレーの作品を数点同時に見られる良い機会となりました。

 

 

宗教画・肖像画のさかんな時代に農村に働く等身大の人間を生き生きとキャンバスにおさめたミレーの画業はもうすっかりお馴染です。

 

 

今回しみじみとミレーの作品を鑑賞してみるとその描写力に驚かされることが多くありました。

 

特に人物の下半身よりも上半身、肩から腕、手の動きに絵画らしい表現を感じます。

 

 

ボストン美術館の「種をまく人」は30年ぶりの来日とか。

 

 

どうぞ、一度ミレー展にお出かけください。

 

 

 

 

 

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