佐藤忠良の小さなブロンズを飾らせていただきました。
少女。
忠良の制作のテーマに、子供達があり、見ていてとても可愛いらしく、微笑ましく感じられます。
台座は八体それぞれに違うようですが、高さはほぼ一緒だと思います。
また明日以降測り直しておきますね。
9月24日付記
このブロンズの高さは台座を含めて15㎝程になります。
はじめはお嬢さんをモデルにした作品かと思いましたが、作品集に1995年頃制作とあり、この年、忠良は82歳と
なりますので、他のお子さんを扱われたのかもしれないと考えました。
実際、忠良が子供をモデルに作品を数多く制作したのは、1960〜70代と言われています。
下記、佐川美術館さんのHPから抜粋させていただきました。
佐藤忠良の制作したブロンズ作品を語る上で、子どもと女性をモチーフにした作品群を抜きにすることはできません。
佐藤の子ども像は、主に1960年代から70年代にかけて数多く制作されました。それまでの佐藤の作品は、どこにでもいる日本人をモデルにした作品が多く、その見た目から《首狩りシリーズ》と称された頭像作品が中心でした。それから一転、佐藤が子どもをモデルに制作するようになったのは、自身の環境の変化にあるといえます。舞台美術家・朝倉摂の一人娘である亜古をはじめ、自身の孫と接する機会から、彼らをモデルに、数々の彫刻作品を制作しました。佐藤が作る一連の子ども像は、瑞々しい生命感とともに、幼いながらも個としての存在感を持っており、対象を慈しむ作者の眼差しが感じられます。
また、佐藤が造る女性像では、1970年から東京造形大学の教え子・笹戸千津子がモデルをつとめるようになります。彼女が何気なく身に着けていたファッションに、彫刻表現の可能性を見出した佐藤は、部分的に衣類をまとわせた女性像を数多く制作するようになりました。人間像としての緊張感とともに時代の感覚も表出された作品は、幅広い層の共感を呼び、佐藤忠良の新たなスタイルとして知られるようになります。
一連の子供シリーズから時間をおいての少女の、しかもこれほど小さな作品の制作には、忠良のそれなりの思い入れ、制作意図があったと想像します。