さて、どなたの作品かお分かりになるでしょうか?
お通いくださるお客様には、少しご覧に入れた事がある作品です。
左下のサインは、運よく?ご覧になりにくいと思いますので、クイズを出させていただきました。
ヒント1
京都の華道の家元の家に生まれたこの作家は16歳の時、まず染色図案家として出発し
98歳で他界するまで一流の図案家として活躍を続けました。
有名なのは、大変仲の良かった夏目漱石の著作の装幀を手がけたということでしょうか?
ヒント2
日本画、油彩画にも着手。
安井曽太郎が家族に渡仏を反対されたとき、「この人と一緒に行くのなら良い」と
お許しがでたとされています。西洋に学び影響を受けながらも、決してその流派に
染まることなく、また時には油彩画を断筆しながら、日本画、南画も描き、自分の表現を追い続けた作家です。
ヒント3
幅広い交流と、旺盛な創作活動が特徴。
随筆、画論などの文筆作品も多く、良寛の研究家としてもよく知られています。
ヒント4
漱石亡き後は、河上肇との交流の中でプロレタリア運動にも関わりました。
「犠牲者」
国立近代美術館にあるこの作品は有名です。
もうお分かりになられたと思います。
そうです。津田青楓の作品でした。
近代日本美術を語るとき、各作家の交流や運動の場面で、必ずその名前を目にする津田の作品を一度
持ってみたいと思っていました。
キャンバスに小さな穴が空いていたり、と決して状態が良いとは言えませんが、
しばらく店にかけてみようと思っています。
気難しい漱石に「津田なら側に置いて昼寝ができる」と言わしめた人物。
「人たらし」と言えるほど、津田の周りには多くの人が集まったと言われています。
近代を知るには、まず津田から。佐橋にも私にもそんな興味がありました。
一枚の絵から、なにをどのように感じられるか?はわかりませんが、画商ならではの
楽しみ方をさせていただきたいと思っています。
ご来店の際には、ぜひご覧になってみてください。
(と言いながら。。壁にかけられる状態になるまで少しお時間をいただきます。
飾る事ができましたら、またこちらでご紹介させていただきますね。)
津田については下記のアドレスからもお調べいただけます。
よろしければご覧ください。
今週は、今日、明日の月曜日、水曜日の祝日にお休みを頂戴いたします。