「一人で美術館めぐり」は思いがけず今回も続きました。
よくおじゃまする碧南市藤井達吉記念美術館では
「抱きしめたい! 近代日本の木彫展」が開催されています。
写真は 高村光雲作「洋犬の首」明治10年とその弟子の米原雲海 作「善那」明治30年です。
他にも記憶に残る作品は多くありましたが、今回は特にこの二点が印象的でした。
木は身近で扱いやすい素材であるかもしれませんが、やはり生命のあるものです。
木という素材自体の意思と
作品の対象となるテーマ、たとえば洋犬や人物の意思、
そして制作する作家の意志が上手く折り合ったとき、木彫作品は他の彫刻、または他の芸術作品をはるかに超えるパワーと美しさを放ちます
彫刻作品に感動したときのあのドーンと来る感じ。。
それを「抱きしめたい!」という言葉に表現されたのかな?とも思いましたが、
やはりすぐれた木彫作品はより優しく、しかも何とも言えない気品を纏いますので「抱きしめたい!」というより「触れていみたい」ぐらいかなと私は感じましたが、みなさんはどのようにお感じになられるでしょうか?
この展覧会はこの後広島県立美術館にも巡回するそうです。
お出かけの方は是非感想などお聞かせください。
「抱きしめたい!近代日本の木彫展」 碧南市藤井達吉現代美術館
11月13日(日)まで ※当店に招待券が少し残っております。よろしければお使いください。ホームページよりお問い合わせくだされば郵送もさせていただきます。
フランス19世紀ナビ派の画家、モーリス・ドニの展覧会が東京新宿の東郷青児美術館で開かれています。
お恥ずかしながら私はこの画家について何も知らず、この展覧会を訪問された方のブログを拝見して興味を持った次第です。
したがって、佐橋に少し知識を頂いてからの美術館訪問となりました
モーリス・ドニは子供や家族というテーマを平面的に柔らかな色彩で描き、その作品の温かいイメージから日本にもファンが多いと聞いています。
上写真の「家族の肖像」や「子供の身づくろい」からもその人気の理由がうかがえますね。
画家が自分の家族をテーマに選ぶということはそう簡単なことではないように思えます。
そうせざるを得ない状況、又はある種の覚悟というものがなければできないことだろと感じます。モーリス・ドニには深い信仰心があったと聞きますので、その支柱があってこその制作であったのかもしれません。
初めてのわが子とその子に乳を与える妻・・初期の作品に向かうモーリス・ドニの情熱と宗教的、装飾的要素を多く含みつつ描かれた家族を扱う後期の作品に向かうときの彼の感情には少し変化がみられたように感じたのは私の気のせいでしょうか?
画家の人生のなかに高まっていくもの、また逆に冷めていくものをふと考えました。
新しい作家と出会う喜びを知り、今回も「ひとりで美術館めぐり」を無事に終えました。モーリス・ドニ展は11月13日まで損保ジャパン東郷青児美術館にて、その後2012年1月~3月まで山梨県立美術館で開催されます。
以下のページに詳細が掲載されていますのでご覧ください。
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