つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

鳥海青児

2023年03月31日 | 鳥海青児
久しぶりに応接室に鳥海青児のベニス、2点を飾りました。

撮影の時間帯が良かったのか?スポットの当て方が良かったのか?

応接室の作品の撮影はいつも大変苦労しますが、今日は随分綺麗に映りました。













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2022年09月23日 | 鳥海青児
また雨が降っています。

ほんの2、3日前は、暑くて数時間おきに目覚めてはクーラーのスイッチを入れていたのに、今は数時間おきに目覚めては肌寒さに布団を掛ける事を繰り返すという始末です。


しばらく鳥海青児のベニスの作品を箱に仕舞ったままですが、こうして雨が降り、湿度は高くなると、どういうわけか?私は鳥海青児の絵が見たくなります。







鳥海青児は、母親が大変仏教に信心深い女性であったので、中学校は僧侶の養成学校に通っていたそうです。

6歳の時、すでに父親は他界していますが、その父の枕元でひょっとこ踊りを踊って、裏山に捨てられ、それでもその捨てた下男より先に自宅に戻ったと、本人が記憶しているほど生来やんちゃな性格でもあったようで、

母は鳥海青児について「お小遣いをやるとすぐ絵の具を買ってしまって、かさぶたみたいな絵を描いて喜んでいる」とこぼしていたといいます。


やんちゃ、仏教、かさぶた、、


とにかく全てのフレーズがもう鳥海青児そのものですね😂

ベニスの風景もアルジェリアの風景も、その空気には見事に湿り気と乾きを表現しながら、鳥海青児の作品には何かこう、自分の体質的なものを頑固に守り続けようとする意志と、温かい慈悲深さを感じます。

日本人の情緒と言って良いのかもしれません。

私は外国で雨に出会った事がないのでわかりませんが、日本の雨にはきっと日本独特の空気がまとっているのだと思います。


雨の日に鳥海青児の作品を見たくなるのも「日本人として」当然の事なのかもしれません。

日本人らしい油彩画家。鳥海青児はそういう画家なのだと思います。

再び、鳥海作品に会うのを楽しみにしています。




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今週の佐橋美術店

2022年06月21日 | 鳥海青児
先週末にご来店くださいましたお客様が、ご自宅から鳥海青児の画集をお持ちくださいました。

この画集は残念ながら当店の本棚にはなく、又現在当店の所有している作品の制作年、つまり鳥海青児の若い頃の作品が多く掲載されていることから、「参考に」とお持ちくださったのです。

なるほど、1932年頃には本当に素晴らしい作品が目白押しです。








「買わなくっちゃ」と早速佐橋とこの画集を古本屋さんで探そうと話し合いました。

古い画集はネットで探すのが1番早いのですが、中身、画集の内容が分からないのが難点です。

今までにも、当店の作品が掲載されているか?は分からないけれど、一か八か!で買ってみる。

そうしたことを繰り返してきました。そして、本棚はいつしかいっぱいになっているのですよね。

今回も当店の作品が掲載されている画集ではありませんが、内容がとてもよく、大いに参考になりますので
安心して購入しようと思えました。

重い画集をお運びくださったお客様、大変助かりました。ありがとう存じました。


さて、日曜日に皆様へ展覧会のご案内状を投函させていただきました。

本日?明日?あたりよりお手元にお届けできるのではないかと思います。

以前、当店でお買い物をしてくださったお客様を中心にお送り申し上げておりますが、
ご迷惑をおかけするようでしたら、恐れ入りますが当店にご連絡を賜りますようお願い申し上げます。
次回より発送を控えさせていただきます。


展示予定作品は、佐橋の出張や鑑定などの都合で会期直前までお客様にご覧いただけない場合が
ございますこと、お許しくださいませ。

又、HPの作成ツールの調子が悪く、今回は展覧会作品のHPでの公開を控えさせていただき、
このブログで、来週より新しい作品をご紹介して参ります。

どうぞ、よろしくお願い致します。







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どっぷりと

2021年08月15日 | 鳥海青児
名古屋も雨が降り続いております。

各地方に、このブログをご覧くださるお客様がいらっしゃいます。

皆さまが、お障りなくお過ごしくださいます事をひたすらお祈り申し上げます。


お休みをいただき、あっという間に一週間が過ぎました。

一度家に籠ると、どっぷりと夏休み気分に浸れるものです。

好きな事を仕事にさせていただいているつもりでおりますが、やはり色々と気を張っているのだなと思います。






今年前半に扱わせていただいた作品の中で、お客様、画商仲間にダントツの人気作品はこの鳥海青児作品でした。

確かに、油彩画として隙なく、しかもロマンチックで、これほど長い間眺めていて「いいなぁ」と思える鳥海作品はないと思えます。



ただ、先日店に1人でおります時に、飾る位置を変えてみようと思い、気づいた事がありました。


それはスポットの問題です。

やはり、少し明かりを当ててあげないと美しさが充分発揮されません。

よくブティックの試着室の鏡は🪞縦長に映るとか、ライトが💡オレンジ系で肌が綺麗に見えるとか耳にしますが、
画廊もスポットを駆使して作品をより綺麗に見せますので、同じ事が言えるだろうと思います。

もし、お飾りになる場所にスポットなどの照明器具の準備がない場合、この鳥海青児作品も違った見え方になるのですね。

良い絵というのは🖼お飾りになる場所や環境条件でガラッと様変わりする事を忘れてはいけないと改めて感じました。


お飾りいただく条件さえ揃えば、大きさ、内容、いずれも当店お勧めの作品です。

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鳥海青児 4号 夕のベニス

2021年05月22日 | 鳥海青児
今日の名古屋は晴れました!  ので、、おかげさまでお客様もご来店くださいました。


今回新しくご紹介いたします作品のうち、皆様のご興味の「順」を考えますと、次は鳥海青児の作品を取り上げるべきか?と考えました。





鳥海青児の作品については、いつも「これより上のレベルの作品にはそうそう出会わないだろうから、扱わせていただくのをこれで最後になるだろう」と2人で話し合うのです。

けれど、やはり時々ポツンと目の前に現れてしまう。そして求めてしまいます。








それは一つに私たち2人の誤解があるからかもしれないと今日気づきました。




鳥海青児の作品の特徴はそのマチエールにあると言われています。

簡単に言うと、ゴツゴツとした絵肌がこの画家の作品の持ち味だということです。

長くこの仕事をさせていただき、出会った鳥海作品は多くあります。初期作品から晩年の制作まで、また内容もピカドール、花、風景。。と色々です。けれど、私たちは特別鳥海のこのゴツゴツ感を好んできたわけではありません。






今日この画集を見ていると、鳥海自身の言葉を幾つか見つけることができました。

「マチエールを狙って描いているわけではない、マチエールは『色』を求めた結果だ」というのですね。


なるほど〜色かぁ〜





鳥海青児の作品は初期の作品に人気があり、価格も上がります。

その理由を、日本人の好むルオー調の作品であるからかもしれないと佐橋も申しますが、やはり、それは色のバランスに理由があるように私には感じられます。


特に、ベニス風景には生活感のある暗い色調に、時々の赤や青がとても美しく、効果的に映えます。





特に、この鳥海の作品は今まで扱わせていただいた作品の中でも群を抜いて魅力的です。

一つに縦構図であるということ。そして、白とは決して言えませんが、黄色味がかったハイライトが所どころに効いていること。

板という画材の面白みが、4号の小さな画面の中に十分に生かされています。


ニスの関係でどうしても画像におさめにくくなってしまいますが、鳥海作品のご紹介は今回この程度でお許しいただこうと存じます。

また後日、店内の色々な場所に飾ることができますときに、画像をご紹介いたします。



鳥海青児  板・油彩 「夕のベニス」 33.1×23.8㎝(約4号) 東京美術倶楽部鑑定書











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