つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

福井良之助 銅版画

2023年02月24日 | 【版画】
福井の銅版画を仕入れさせて頂きました。




33×39.3㎝の少し大きめの版画になりますが、福井らしい重厚感と洒脱さがよく表現されている作品だと思います。

56/75  「家」


どこにお飾りいただいても、お楽しみ頂けるかと存じます。




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浜口陽三 カラーメゾチント 「ぶどう」

2022年07月30日 | 【版画】
本日、浜口陽三のカラーメゾチント「さくらんぼ」にお納めのお約束を頂戴いたしました。

私たちには何の予備知識もなく、ただ初めて⁉︎良いと思った浜口作品を仕入れさせていただいた次第ですが、お通いくださるお客様方のほうが余程お詳しく、この「さくらんぼ」はかなりレアな作品だとわかりました。

結局、そのレアさを最もご理解いただいていたお客様のもとに嫁ぎます。






そして、それを予感していたかのように次に仕入れさせていただいたのがこの「ぶどう」です。
「うぅ、またこちらもレアな作品を。。」と先ほどのお客様もまたお褒めくださり、迷われて、結局最初のご希望通りさくらんぼをお選びくださいました。













画面が暗く、少し見えにくくはありますが、上の赤が効いていること、そして左に一粒葡萄の実が転がっているところがとてもおしゃれな作品だと思います。制作年はさくらんぼより少し後になるでしょうか。



以前にも書かせていただいた通り、浜口は刷り順ではなくて、出来の良い順に番号をつけていったようです。

こちらは、3番!なかなかの優秀な成績です。



さくらんぼの時期が終わり、いよいよ葡萄の美味しい季節がやって参りました。
一応、当店は、版画にも「季節感をとり入れている」と宣伝させていただきます。


浜口陽三 カラーメゾチント 3/50
6.5×6.3㎝ 額サイズ 30×29㎝  33万円





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版画技法について 

2022年04月21日 | 【版画】
昨日発注したキーボードが、今、もう私の手元にあるという。。

ありがたいことですが、便利さに慣れすぎて、物を大切にすることをつい忘れそうです。

翌日届くと「早い!」と喜び、1日遅いと「遅い!」と怒る😤 お恥ずかしいほどに勝手なものです。



さて、銅版画の技法のいくつかをご紹介致します。


エッチング
腐食により代表的な銅版画技法。
よく磨いた平らな銅版にグランドと呼ばれる腐食剤を引き、その上から先の尖った
鋼鉄の針(ニードル)で引っ掻くように線を描く。すると引っ掻いた部分のグランドが剥がれ
銅が露出する。描画した版を腐食液に入れると、グランドが剥がれた部分が腐食され、線状の窪みとなる。
腐食が終わると、グランドを取り除き、凹部にインクを詰め、余分なインクを拭き取った後でプレス機にかけて
刷る方法。




アクアチント
エッチングと同じく、銅版を腐食させる銅版技法。
銅版の上に細かい松ヤニの粉を振り掛け、版を温めて松ヤニの粉を溶かして付着させる。
これを腐食液につけると、粉がついていない部分が腐食されて、無数の点状の凹部ができる。
諧調(色の濃淡の変化)や面を表現するときによく用いられる。


メゾチント
版を腐食させず、直接版に刻んだ凹部にインクをつめる銅版画の技術の一つ。
ベルソーと呼ばれる先端に櫛状の無数の刃のついた道具を左右斜めに揺らして
版面全体に縦、横、斜めの細かい点の溝を作る。この作業を目立てという。
目立てた状態で刷ればビロードのような質感の黒の画面を得られる。
その後、スクレイパーやバニッシャーという道具で版を削ったり
磨いたりして諧調の調子で図像を描いていく。


ビュラン
ビュランと言われる先端を菱形に鋭く研いだ刃物で、よく磨いた
銅版を直接彫り、その凹部にインクを詰めて刷る技法。エッチングやドライポンイトより
強い線を表現することができる。

ドライポイント
先端が鋭く尖った鋼鉄の針ニードルで銅版を直接彫り、その溝にインクを詰めてする技法。



尚、リトグラフは銅版画と違い
石灰石、またはアルミニウムなどを版材に、水と油の反発作用を利用して
平坦な面をプレス機で刷る技法。石版とも呼ばれています。

リトグラフ
版に直接脂肪性やクレヨンやインクで描画し、その上に弱酸性溶液を塗布
すると、化学反応により描画部分は油性物質をひきつけ、何も描かれていない部分は
水分を保持するようになる。そして、版面を水で濡らしたのちに印刷用のインクをのせると
描いた部分のみにインクがのり、その他の部分はインクをはじく。





加山は最初に銅版画を試み、次にリトグラフの技法を試みたとされています。
特にリトグラフは、刷り師女屋左衛門に指導をされ、また木版画においては江戸時代の浮世絵版画を参考に
絵師、彫師、摺師、版元の共同作業により制作を進めました。




当店で今扱わせていただいております
「蝶」は1986年制作でアクアチント、メゾチント、ビュラン技法が採用され
ています。

いずれも加山が銅版画、リトグラフ、木版画制作に一通り触れた後の作品で、それぞれの技法の特色を十分に心得、活かしたものであるといえるかと思います。












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加山又造の版画

2022年04月20日 | 【版画】
「なにか、閉ざされた密室で、ミクロなものを造っているような感じが好きで、銅版画が好きである」

「銅版画には、私に欠如している、文学性、ドラマが詩えるような気がして、これからも出来るだけ数多く作りたい」



自身の版画制作に関する加山又造の言葉です。

文学性という言葉の意味をどう捉えるか?にもよると思いますが、私はやはり版画であっても、加山には文学性より絵画性を
求めるべきではないか?と思ってしまいます。

そして、加山の本画はお高くて買えないので、版画で!

というつもりでなく、加山の絵画性、美学は、案外版画作品によく表れているのではないかと本音のところで思っています。

??

結局加山の本画をあまり評価していないということになってしまうのかしら。。。












よくご質問をいただき、そのたびに私も調べては忘れてしまうので、
銅版画の技法について、次回記させていただきますね。

追伸  キーボードの調子が悪く、新しい物に変えますので、少しお時間をいただきます。










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福井良之助版画

2022年03月03日 | 【版画】
以前当店で扱わせて頂き、皆さまにご好評いただきました福井良之助のミニサイズのエッチングをご紹介致します。

昭和52年フジイ画廊から発行されました「窓 ミニアチュウル画集」の付録として付いて居りました版画をまとめて入手、
当店で額装をさせていただきました。

今回はマットに隠れた部分に、ヤケやシミが出ておりますので、以前よりお安く提供させて頂きます。

とはいえ、作品部分にはシミやヤケは感じられず、これ以降状態が悪化するとも考えにくいのでご心配なくお求めいただけるかと存じます。




絵柄は、「丘の城」「時」
「椿(明石潟)」「虞美人草(けし)」の四種類となります。

4点共に、サインあり、また椿と虞美人草は手彩色となります。

残念ながら、バラバラのナンバーとなりますので、番号を揃えてのお求めはしていただけません。







小さな作品ながら、版画家としての「福井良之助」を十分お楽しみ戴けると存じます。
よろしければ、お求めください。




「丘の城」 
額の大きさ 30.8×27.3㎝ 
作品の大きさ(額マットの窓の大きさ) 13×10㎝
価格 12,000+税



「時」
額の大きさ 34.3×25.8㎝
作品の大きさ 16.5×7.5㎝
価格 15,000+税



「椿」
額の大きさ 27×25.8㎝
作品の大きさ7.5×7㎝
価格 18,000+税



「虞美人草」
額の大きさ 27×25.8㎝
作品の大きさ 7.5×7㎝
価格 15,000+税





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