2017年春~夏
2016年4月の熊本地震被災の自宅改装に合わせて、かねてからの羨望の『薪ストーブ』の設置を、リビングに計画しました。
僕の中での薪ストーブは、単なる贅沢品ではありません
それは、実家の山の管理、雑木の処分という燃焼器具でもありました。
この写真は、祖父祖母の食糧難の時代、戦前、戦中に山を開墾し作ったという、地形に添った細長い(元)畑です。
子どもの頃は、実際、ここで大豆やカライモを作っていた記憶があります。
あれから約50年、植林したものの平成3年の台風19号で杉・桧も殆どやられて、すっかり雑木林に戻っています。
92を超える親父はすでに管理は出来ませんので、薪ストーブの燃料としても、なんとか有効利用しようという訳です。
”蟻とキリギリス”ではありませんが、冬に燃やすには、この夏の時期に頑張って伐採、葉枯らしして、少しでも乾燥させる必要があります。(理想は2~3年乾燥!)
栗園や柿園の手入れもしてますが、この夏時間を見つけては、チェーンソー、ナタ、水筒を持って、山へ行くパターンです。
薪ストーブの燃料材としては、クヌギや樫が理想ですが、それ以外の立ち枯れ木・孟宗竹・ナラ・ハゼ・名前の分からない木も伐採しないと管理になりません。
つまり、燃料は山ほどあります
ほとんどは、順調な作業でしたが、それでは面白くないので、ちょっと”つまずいた”事例の紹介です
伐採作業は慣れているので、倒したい方角にクサビを切り抜き、反対側からクサビの少し上を目指して、切り進めると自然と目的方向に倒せる・・・・・『ブヲーン・ブヲーン!』とエンジンを吹かし、一気に倒れ落ちるつもりでしたが~。
『ギーギー・ギ・ギッツ』っと、傾いたまま、主幹は途中で止まって、下に落ちません。
引き抜くタイミングを無くしたチェーンソーのバーを挟んで仕舞いました。
ビクとも動きません
クサビも抜け落ち、切断は出来ているのに・・・
残る刃物のナタで、空しい対処をしましたが、全く動きません。
原因は、上部の幹と枝が隣立する雑木と孟宗竹5本に引っかかって、倒木を支えています。
・・・事前の観察・予測不足でしたまだまだ、修行が足りん
関係する竹木や竹を、ナタで切り倒し、どかすと、『ギ・ギー・ギ・ギッ~』っと倒れはじめ、
パックリと隙間が空き、無事にバーを抜くことが出来ました
あとは、ストーブの規格に合う、50cmの長さにひたすら『玉切り』です。
日がまばらに当たる林間ですが、重たいチェーンソーを持ち作業をすると、汗は滝のように流れ落ちます。
真夏の作業はどこで、なにをしても暑い
さて、問題は、道路に待機する軽トラックまでの運び出しです。
地形に合わせた畑は、等高線上に細長く、全部で4~5枚あり、最近で約30m、まだ手を付けていない奥の最遠地からだと、ゆうに100mはあります。
ホント昔の人の苦労が忍ばれます
運搬車は持たないし、あっても通れる道も無いから、全て人力での搬出です。
上の段から、下の段へ投げ、段(畑)の登り口まで運搬し、また下の段へ投げ、とりあえず山道まで投げ落とす。
小さく見える赤いチェーンソーの所が道ならぬ山道ですが、すでに孟宗竹が柵の様に侵入しています。
『農地が山に戻るって、こんなことだなあ~』
道が無くなれば、誰でも入る意欲がなくなり、拍車を掛ける~人が入らない事が、一番自然に早く戻るという証明です。
さて、この日の作業態勢は失敗でした
それは、水筒の量が少なかった事です。
あまりにも発汗と、暑さのため、直ぐに飲み物が無くなり、しばらく頑張っていたものの、汗もでなくなった事・休憩でボーっとなる症状が出始め、完全にへばったため、ヤバイと判断しました
『こんな山の中で、人知れず死ぬわけにはいかない~残された親父はどうなるんだ』と、山道に投げ出した分だけを、脇に敷木を組み、積みました。(これだけでも、相当きつかったんですが)
この日は、体力気力とも無くなり、丸太の持ち帰りを諦めました。
別の週、また伐採と、運搬です。
伐採は、楽しいモノですが、こんな傾斜した山道を、小径木なら5~6本、中径木なら3~4本、30cmもあるとやっと1本を抱えて運び出すのは、重労働です。
これから、道に生えた孟宗竹の除去や、風倒木、枯れ枝、フカフカの腐葉土も滑って足を取られるので処理しないと、とても捌けません。
それでもこの日は、軽自動車に積める分だけを、運び出しました。
家に持ち帰ると、さっそく雨に濡れない”テラス囲い”に運び込みました。
冬までには、スチールラックを3台準備し、3段分割にし、大・中・小径木に分類貯木する積もりです。
冬まで、まだまだたくさん汗をかかないといけません。
ってか、依頼した業者は、本当に来るのだろうか
『震災復旧に忙しいでしょうから、日常生活者優先で、うちの薪ストーブ設置は、冬までやってくれたら良いですよ』って言ったけど、少し不安になってきた。
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