2017年8月27~29日
先ずは昔話から~
約45年も前の僕が中学生の頃、11PMというエッチな番組が始まりました。
同級生同士では、『藤本義一が一番エッチとか、いやいや大橋巨泉、愛川欽也が面白い!』とか、ともかく翌日の話題についていくためには、観なきゃいけない
両親が早く寝ないかと心待ちにしながら、イヤホーンとタオルを準備して寝るのを待ちました。
いよいよ寝ました。
二階の階段から暗くなった1階を見下ろして、こっそり降りてきて、イヤホーンを突っ込み、スイッチ
しばらくすると、真っ暗い部屋がボわーっと照らされ、画面が明るくなります。
その頃は、真空管テレビでしたので、キーンという超音波みたいな発振音が出ていました。
両親は、襖一枚隔てた向こうの部屋に寝ていて、ドキドキです。
問題は、チャンネルを2に合わせて、テレビの上のコンバーターという箱のUHFボタンを押し込むのですが、親が直前何を観ていたかで、最大半回転180度チャンネルを回して、2に合わせるのですが、これがまた歯車式みたいに硬く、ガチャガチャっと、静まりかえった部屋に音がするので、ささやかな抵抗のサイレンサーのタオル巻きです。
さらにUHFボタンを押し込むのも、カッツーンという軽い甲高い音がプラスチックボックスからしてたので、これまたタオルサイレンサーの出番です。
そうやって、『シャバダバ・シャバダバ~』の音楽に間に合わせて、胸をときめかせていたのです。
時には、タオルが自分のサイレンサーになったり・・・と、若い頃の思い出です。
綾小路きみまろ ではありませんが、『ああ、あれから40年~今ではリビングにはリモコンスイッチが溢れ、アンタと同じように邪魔になるまでになりました!』
前置きが長くなりました。
と、まあ昔と比べたら便利なリモコンスイッチですが、人間と同じで、永久品でもなく、反応が悪い・全然反応しない・・・無視という症状が出てくると思います。
電気屋さんに行けば、数社メーカー対応のリモコン(学習リモコン)が売ってはありますが、機能により1000~3000円位したと思います。
ところが、(全部とは言いませんが!)リモコンの修理は、1円未満のコストで、しかも自分で出来ますので紹介します
この2つとも実家のリモコンで、左がエアコン、右が台所のテレビ用です。
リモコンが使えないため、親父は扇風機で昼寝し、テレビは観ていません。
まずは修理のための事前学習になりますが、リモコンは3つの基本部品でできています。
赤外線を発信する先端部分の発光ダイオード(LED)、チャンネルボタン部分、そしてボタンの信号を赤外線の信号に変換するICチップ部分(配線基盤)です。
故障は、この3つの部分のどこかと言えます。
◆テレビリモコン修理編
電源電池を確認し、ボタンを押して、先端の発光ダイオードから光(赤外線)が出ているか確認します。
ところが可視光線(目に見える光)の波長は、約400nm(ナノメーター)~750nmの波長で、赤外線は、約750~1,000nmの波長なので、いくら目を凝らしても見えません。
でも、携帯カメラを通すと赤外線を可視化の波長に落としてくれますので、携帯カメラを利用します。
やはり、赤外線が出ていませんでした。
もし、光が出ているなら、テレビ等受信側にある黒い四角いカバー(フォトダイオード)の汚れや故障の疑いがあります。
いよいよ開けます。
このリモコンにはネジがありますが、全くないプラスチックカバーの爪のみの噛み合わせタイプが多いと思います。
爪の噛み合わせ部分は、細密ドライバーのマイナスドライバーを差し込んで、コネて、少しずつ開けていきます。
キズが入るのは、仕方ありません。
注意点は、1ケ所をいきなり広く開けようとせずに、次の爪にもう1本ドライバーを突っ込んで、広く開けていくと、カバーの割れや、爪の破損を防げます。
さて、開きました。
左側が、操作ボタンの裏返し、右側の緑っぽい配線基盤が、押されたボタンで電極に通電し、それぞれのボタンに仕組まれた異なる信号が、ICチップの符号器で変換され、頂部のLEDから信号を発信します。
さて、上の2枚に挟まれているのが、この黒いゴムマットです。
リモコンスイッチの故障の多くの原因が、このゴムマットにあります。
ゴムマットのボタン部分を、拡大レンズを付けて撮影しました。
ただのゴムに見えますが、この黒い俵状のゴム面には、電導物質が塗られているのです。
だから、掃除のつもりでアルコールや洗浄剤で、この面を綺麗にしようとすると、電導物質が剥がれることになりますので、安易な洗浄・拭き取り摩擦掃除も注意します。
ボタンを押すと、ゴムマットの俵状の電導ゴムが、下の写真のS字(この場合)の絶縁部分を押さえる事で、黒と黒に橋渡しが出来電気が流れる仕組みです。
一番剥がれやすいのは、使う頻度が高い所、つまり電源スイッチです。
次いで 決定ボタン です。
電源ボタンの裏側。
つまり修理は、電導ゴムに電導物質を付けてやれば良い、という発想です。
準備物は、両面テープとアルミホイルです。
両面テープをアルミホイルに貼ります。
ハサミで、帯状に切り取っておきます。
これで、前準備完了。
いよいよ、修理に取り掛かります。
電源ボタンの電導接触面は、直径3mmほどしかありません。
右手に鋏を持ち、カットしますが、小さくて切りにくい。
だいたいでも良いのですが、大きすぎると、不如意に接触していつも電導状態にもなりかねないので、出来るだけ必要な大きさ形に合わせます。指先で、粘着テープの紙を剥いで~
ボタンの接触面に、貼り付けます。出来るだけ皺を伸ばし平面にします~
決定ボタンや、チャンネルの反応が悪い所も日ごろから覚えておき、いよいよ修理の時には同様にします。
閉める前に、配線板のホコリや、ICチップのムカデのような足のホコリも柔らかい筆で掃除しましょう。
決定ボタンは、円形が多く、回転しない様に、凸凹のカム状で、嵌る所は一カ所になるようになっています。
こんなフック?凹凸がありますので、これを合わせて閉じます。
綺麗に蓋を閉じ、ネジをハメ、電池を入れたら、電源ボタンを押してテストです。
成功です
(なお、ボタン毎に仕組まれたパターンに従って信号を送り発光しますので、発光ダイオードの光り方は全ボタン違います。)
◆エアコン修理編
エアコンリモコンも原理は同じです。
これも電源電池を確認し、ボタンを押して、先端の発光ダイオードから光(赤外線)が出ているかを、携帯カメラを通して確認します。
やはり、赤外線が出ていません。
もし、光が出ているなら、エアコン受信側にある黒い四角いカバー(フォトダイオード)の汚れや故障の疑いがあります。
この場合ネジ止めでした。
小さいネジですので、無くさないように、磁石やケースに集めておきます。
写真は、フィルムケースの蓋を利用(懐かしい貴重品かも)
エアコンの場合、ほとんどが液晶表示画面というのがテレビと違うところです。
液晶パネルの確実な固定のため、内側の配線板もネジ止めされています。
上から、操作ボタンフレーム、右下は、配線基盤。
左が液晶パネルです。
操作ボタンフレームから、操作ボタンのゴムマット(白色)を外すと、積年の埃が溜まっていました。表面は、ゴシゴシ拭いても大丈夫です。
裏は、あの電導物質の黒いボタンがあります。
四角いボタンが、電源ボタンです。
新たな、電導アルミホイルテープを、大きさに合わせてカットします。
今度は大きくて、貼りやすかったです。
左の白いのは液晶パネルを裏から見ているのですが、コードで繋がれているのではなく、ピンクと黒のサンドウィッチみたいなゴム部分が電極で、これが配線基盤のピアノの鍵盤みたいな部分に当たるだけで、電気が流れる仕組みです。
しかし、正確な接点が必要なため、液晶パネルを支える黒い固定枠に填め込む事で、電極同士の正確な接触が出来るよう工夫されています
ケースを元に戻します。電池の電極は、いろいろなタイプがありますが、電極は電池漏れや錆で非常に折れやすくなっている場合もあります。
錆は磨いて拭き取り、折れたらやっかいですので、慎重に隙間に戻します。
(折れたら、半田付け)
電池を入れてみました。
おや~時計の表示がおかしい
液晶パネルの少しのズレだと思われます。
もう一度、分解して、液晶パネルの電極の掃除と、正確な固定枠への填め込みをやり直しました。
今度は、ちゃんと時間を表示しました。
いよいよテストです。
光りました
成功です。でも、証拠写真のシャッターのタイミングが合わず撮れない
テレビの光り方と全然違って短い
20枚位撮影しましたが、一枚も撮影できませんでした。
そこで、動画で撮影~これは、動画画面のスクリーンショットです。
うっすらとピンク色に光っています。
これで実家のエアコンと、台所のテレビも使えるようになります。
親父は喜んでくれるでしょうか
どうでしたか
修理費の原価は、1円もしません。
現代はもはや、リモコン無しの生活は考えられません。
調子悪くなった時には、是非とも試してください。
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