この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

折紙に段位はありません。

2020-07-29 21:49:33 | 折り紙・ペーパークラフト
 「超難解折紙」を紹介するミクシィの記事にこんなつぶやきを寄せている人がいました。

>友達に折り紙4段の人がいて、すげーの作ってるわw

 いやいやいや、折紙に段位なんてないですから!
 最初はスルーしようかと思ったのですが、「折紙にも段位があるのですね~」というふうに信じる人まで現れたので、慌てて「折紙に段位はないのでご友人の折り紙4段はただの冗談だと思いますよ。 講師資格ならありますが。」とコメントをしました。

 繰り返しますが、折紙に段位はないのです。
 段位のつけようがないと言った方がよいかもしれません。

 将棋であれば例えば七段の棋士が八段に昇段するには明確な条件があります。
 現在木村王位に挑戦中の藤井棋聖が王位奪取に成功すればタイトル二期獲得という条件を満たし、八段になります(タイトル保持者が「藤井八段」と段位で呼ばれることはありませんが)。
 何となく七段、何となく八段と呼ばれているわけではないのです。

 では折紙は?
 折紙にはタイトルはありません。
 対局もありません。
 したがって昇段条件のつけようがないのです。

 折紙に段位はないと言いました。
 ただし、講師資格はあります(こちら)。
 講師は日本折紙協会が折紙の普及を目指し制定したものです。
 講師はあくまで講師なので、複雑な作品を生み出す創作力よりも折紙教室で折紙の基礎を教えられる指導力が求められるようです。

 また、これは知らなかったのですが、折紙には段位制度はなくとも級制度はあるようです(知らなかった!)。
 この「おりがみ級制度」は講師資格年齢に達していない16歳未満の方のための制度で、一級を取得すると「こどもおりがみ博士」の称号が与えられそうです。
 日本折紙協会もいろいろやってるんですね。笑。

 さて、折紙に段位はないと述べましたが、仮に段位があったら、という仮定の元に折紙作家の方を紹介したいと思います。
 まずは山口真さん。日本折紙界のドンみたいな方です。でもあまり人に折紙のことを教えている印象はなくて、どちらかというと競馬新聞を熱心に見ている姿が目に浮かびます。笑。当然最高位の九段です。
 次は前川淳さん。今でこそパソコンで折紙作品の設計図を描くことは珍しくなくなってきましたが、それを最初にやった人です。とにかく博識な方で、折紙だけでなく、数学、歴史、文学、天文学とその知識は多岐に渡ります。もちろん九段。
 それから川崎敏和さん。よく折紙に詳しい人のことを「折紙博士」ということがありますが、川崎さんは実際折紙に関する理論で博士号を取得された本当の折紙博士です。アイドルが大好きというオタクな一面も持ちます。九段です。
 あとは布施知子さん。日本を代表する女性折紙作家で、彼女の生み出す作品は常識にとらわれない、アーティスティックなものが多いです。でも見た目は気さくなおばちゃんです。笑。九段。
 最後に川村みゆきさん。ユニット折紙の達人。特技は折り紙と食べることで、好きなことも折り紙と食べることなんじゃないかな。折紙探偵団九州コンベンションが福岡でなく佐賀で開催されるのは、ひとえに彼女が佐賀在住だからです。いつもお世話になっています。八段。

 他にも著名な折紙作家はいますが、実際お会いして、話をしたことがある方を紹介させてもらいました。
 ちなみに自分はというと、将棋で言えば奨励会を突破できない三段どまりってところでしょうか。
 過大評価かもしれません。笑。
コメント
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