この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

奇跡と出会える映画!『アルプススタンドのはしの方』。

2020-08-01 22:40:48 | 新作映画
 城定秀夫監督、小野莉奈主演、『アルプススタンドのはしの方』、8/1、イオンシネマ筑紫野で観賞。2020年23本目。

 そんなわけで『アルプススタンドのはしの方』を観てきましたよ(どういうわけなんだ)。
 面白かったです。
 観に行ってよかった。

 野球を題材にした映画だったら、大体の場合、野球をしている人が主人公ですよね。
 それが当たり前といえば当たり前というか。
 しかし本作の主人公は高校球児ではなく、甲子園に野球の試合の応援に来た、どこにでもいる、けれど訳ありの高校生4人なんです。
 これは上手いな、と思いましたよ。
 高校球児の人生にもドラマはあるでしょうが、野球の試合の応援に来た人の人生にもドラマはあるでしょう。
 彼らにも悩みがあり、挫折があり、夢があり、希望がある。
 ただそれまでスポットライトが当てられることがなかっただけで。
 映画『アルプススタンドのはしの方』は甲子園のグラウンドで華々しくプレイをする高校球児ではなく、文字通りアルプススタンドのはしの方で人知れず応援する、どちらかと言えば地味な高校生にスポットライトを当てたお話です。

 地味な高校生たちが主人公なのでその分身近に思えて、感情移入がハンパないんですよ。
 しょうがない、しょうがない、しょうがない。
 まぁしょうがないじゃん。
 いや、待てよ、それって本当にしょうがないこと?
 もうちょっとだけ頑張れば、どうにかなったんじゃないの?
 そう思える奇跡がこの映画のラストにはあるのです。

 本作は映画本編とは別のところでドラマが想像出来ます。
 それは監督の城定秀夫氏です。
 城定監督のフィルムグラフィーの90%はピンク映画なんです。
 ピンク映画のベテラン監督がなぜ本作のメガホンを取ることになったのか、想像しただけで頭の中で面白いドラマが作れそうです。
 でも本当にどういう経緯があったんでしょうね。
 まぁ何かしら奇跡が起こったのでしょう。

 『アルプススタンドのはしの方』は奇跡と出会える映画です。

 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

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