この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

全体的に雑な作りに思えた『ソロモンの偽証 後篇・裁判』。

2015-04-14 21:54:47 | 新作映画
 宮部みゆき原作、成島出監督、藤野涼子主演、『ソロモンの偽証 後篇・裁判』、4/11、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2015年13本目。


 前夜に続いてのレイトショー鑑賞です。たぶん今週もその可能性が高い。笑。
 
 『ソロモンの偽証 前篇・事件』を観て、ずいぶん雑な演出だなぁと思ったんですよね。
 どこら辺が雑だと思ったのかというと、例えば、不良学生である大出が樹理に暴力を振るうシーンですね。
 不良学生が女生徒に暴力を振るうはずがない!というつもりはないんです。
 でもあんな人目につくような場所で、樹理に馬乗りになってボコボコに殴りつけるというのはさすがにないと思います。
 誰かに通報されて、警察沙汰になる可能性が大ですからね。
 ただ、なぜあのシーンが必要だったかはわかります。
 あんな人目のつくような場所であったからこそ、涼子と卓也はその暴力を同時に目撃したのですからね。
 これが校舎裏とかだったらこうは上手くはいかないはずです。
 一事が万事こんな感じで、演出意図はわかるが、考えてみるとかなり不自然なシーンが続出する、『ソロモンの偽証 前篇・事件』は自分的に評価の低い作品でした。

 それなのになぜ後篇も観に行こうかと思ったかというと、それはやっぱりどんなオチなのか気になったからなのですが、ぶっちゃけ前篇に輪をかけて雑な作りの作品に思えましたね。

 いろいろと「それはちょっと…」と思うことがありました。
 中学生が校内裁判を起こすこと自体はないことではないと思いますが、中学生が起こした私的な裁判に警察が協力することはあり得ないと思います。それを言っては実も蓋もないかもしれませんが…。

 その協力的な刑事の佐々木が、裁判の中で屋上に続く扉の鍵はドライバーのようなものでこじ開けられていた、と証言します。
 で、そのドライバーのようなものが何だったのか、なぜ現場から消えていたのか、そういった謎は結局作品の中では放りっぱなしなんですよね。

 それから前篇での、大出の実家の火事は実は保険金目当ての父親の自作自演の放火だったことが明かされます。
 う~~~ん、、、前篇で大出の実家の材木問屋が経営に行き詰まっていた、というような前振りがないと、いきなり放火だった!といわれてもなぁ。

 本作にはありえないぐらい性格が嫌な奴が男子一人、女子一人登場します。
 女子はそれが大出から暴力を振るわれていた樹理なのですが、彼女には松子という親友がいます。
 樹理と松子は親友同士(という設定)なのですが、なぜ二人が親友になったのか、親友になってからのエピソードが一切ないので、なぜ松子はこうまで樹理に懐いているのか、ひたすら不思議でなりません。

 まったく同じことが男子の嫌な奴にも言えて、彼にはやはり親友がいるのですが、なぜ二人が親友なのか、観ていてまったくわかりませんでした。原作には書いてあるんですかね?(読む気はまったくありませんが)

 あと、本作がなぜ『ソロモンの偽証』などという大仰なタイトルなのかもわかりませんでした。
 ソロモンってイスラエルの国王であり、動物の声を聴くことが出来ると言われる指輪の持ち主であるソロモンのことですよねぇ?そのソロモンとこの作品がどう関係するのか、作品の中でも特に言及されなかったのでこれまたまったくわかりませんでした。原作にはさすがに書いてあるのでしょうが…。

 こんな感じで、本作を高く評価する気にはまったくなれません。宮部みゆき原作の映画はもう観なくていいかなって思いました。


 お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★☆は(★は五つで満点、☆は★の半分)。
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