この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

デル・トロらしいと思った『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』。

2022-11-27 20:09:42 | 新作映画
 カルロ・コッローディ原作、ギレルモ・デル・トロ監督、『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』、11/25、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(ACチケットBC4、鑑賞料金1000円)。2022年48本目。

 金曜日の夜、『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』を観てきました。
 体調が万全というわけではなかったのですが、この日を逃すと観るのが難しそうだったからです。
 何しろ公開一週目で上映は20時台の一回きり、来週上映しているのかどうかすら定かではありません。

 一番好きなアメコミ原作の映画は『スーパーマン・リターンズ』です。
 『アベンジャーズ』も『スパイダーマン』も嫌いじゃないけど、自分にとって最高のアメコミ原作映画は『スーパーマン・リターンズ』なのです(なので必然的に一番嫌いなアメコミ原作映画は『マン・オブ・スティール』ってことになります)。
 『スーパーマン・リターンズ』が一作きりで続編が作られなかったことは今でも理解し難いです。

 そして『スーパーマン・リターンズ』の次に好きなのがギレルモ・デル・トロ監督の『ヘル・ボーイ』だったりします。
 『ヘル・ボーイ』のどこが好きなのか?
 キャラクターのデザインやストーリーも好みなのですが、何よりいいな、と思うのはデル・トロ監督の、異形の者たちに対する優しさに満ちた眼差しだですね(これはどの作品にも共通していると思います)。
 自分にはそれが心地よいのです。
 この『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』でもそれが強く感じられました。
 デル・トロ色が強い作品だなとも思いました。

 原作者のコッローディの名は知りませんでしたが、『ピノキオ』は子どもの頃にディズニー作品で見ました。
 ゼペットじいさんの手で生み出された木の人形ピノキオが艱難辛苦の果てに人間に生まれ変わるというお話だったと記憶しています。
 しかし本作はそういう先入観で見るとかなり面食らいます。
 何しろゼペットじいさんの息子は空爆で死亡するし、ピノキオは少年兵の養成学校に入学するし、ムッソリーニは出てくるし、ともかく戦争の影が濃く反映された作品だったのです
 そうか、原作はこんなに戦争の影が濃い作品なのか、と思ったのですが、(後で知ったところ)原作の『ピノッキオの冒険』は19世紀の作品なので、空爆だの、少年兵だのといった戦争の描写はデル・トロの脚色なのでしょう。

 でも一番デル・トロらしいのはやはり結末ですね。
 自分の知っている『ピノキオ』のそれとは全然違う、、、もしかしたら賛否両論あるかもしれませんが、自分は支持したいです。

 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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