この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

赤い外套の少女

2014-02-18 23:10:08 | ショートショート
 少女は森の中、帰途を急いでいた。
 もうこんな時間ではとうてい日が暮れるまでに森を抜けることは出来ないよ、という街道で出会った猟師の言葉を思い出した。
 一人暮らしだから遠慮する必要はない、悪いことは言わないからうちに泊まっていきなさい、そう猟師は少女の身を案じて優しい言葉を掛けてくれた。
 だが少女は、家でおばあさんがあたしの帰りを待っているのです、と猟師の誘いを丁寧に断った。
 年をとり、すっかり体が弱ってしまったおばあさんをいつまでも家に一人きりにしているのが心配でならなかったのだ。
 そうか、それなら仕方ない、くれぐれも用心しなさい、最近は何かと物騒だから、そう言ってくれた猟師に別れを告げ、少女は一人森へと続く道を選んだ。
 街では年端もいかない女の子達が何人も行方知れずになっているという噂を耳にした。
 彼女たちはどうしたというのだろう?
 もしかしたら道に迷ってこの森の中を彷徨っているのかもしれない・・・。
 そんな埒もないことを考えていると本当に誰かに見られているような気さえしてくる。
 はぁはぁ、先を急ぐあまり少女の息が荒くなっていく。
 少女のまとっている赤い外套が、暗い森の中で誘蛾灯のように揺れる。
 その時ガサリと行く手の草むらが音を立てた。
 少女は一瞬息を飲むが音の正体を知ってほっとする。
 森の入り口で別れたはずの猟師がそこに立っていたのだ。
「まぁ、おじさん、私のことを心配して追いかけてきてくれたの?」
 そう言いながら少女は自分の言葉をいぶかしんだ。
 猟師は少女の行く手から現れたではないか…。
「そうだよ、お嬢ちゃん。おじさんはどうしてもお嬢ちゃんのことが心配になってね。森の中は本当に物騒なんだ。盗賊や人さらいだけじゃない、人外の化け物だって出るのだから。でももう安心だ。おじさんの家はほんのすぐそこなんだ。さぁ、一緒に行こうじゃないか」
 そう言って猟師は少女の手首を掴んだ。
 痛い、少女は顔をしかめたが、猟師は特に気に留めることもなく、少女の手を半ば強引に引っぱっていく。
 しばらく森の中を連れ立って歩いてから少女がぽつりと言った。
「本当はね」
 少女の言葉に先を行く猟師が振り向いた。
「誰かが現れてくれないかなぁって思っていたのよ」
 少女は無邪気な笑みを猟師に向けた。
「だってお腹がペコペコだったんですもの…」

                             *

「ただいま、おばあさん」
 少女の帰りが遅いのを心配して寝ずに待っていた老婆は少女の姿を見てほっと安堵の息を漏らした。
「どうしたっていうんだい、ずいぶん遅かったじゃないか」
「ごめんなさいね、おばあさん。森の中で急に食事をすることになったものだから」
「おやまぁこの子ったら!けれど仕方のないことなのかもしれないね。お前たちの年頃なら、すぐにお腹は減るものだからね。でもちゃんと言いつけは守っただろうね」
 少女はにっこりと笑ってみせた。
「もちろんよ、おばあさん。誰にも見られなかったし、それに食事が終わってからの後始末も忘れなかったわ」
「そうかい、そうかい、お前はいい子だね…」
 そう言いながら老婆は皺ばんだ手で少女の頭を撫でた。
 少女の外套が赤い理由を、少女と老婆以外誰も知らない。
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飯塚で見かけたヘンなもの。

2014-02-17 20:49:47 | 街で見かけた・・・。
 昨日飯塚の街の中を散策して見つけたヘンなものを紹介します。


 まずは『SWEET FES.2014』が行われたイイヅカコスモスコモン(要は市民文化会館)の敷地にあったモニュメント。


   


 モニュメントだと思うのですが、もしかしたら何かの計測機器かもしれません。
 周囲をぐるっと一周したのですが、これが何なのかを示すプレートなどは見当たりませんでした。
 ご存知の方はご一報ください。


 続いてアーケード街にあった椅子。


   


 ただの椅子と思うなかれ、手前にある自動車と比べたらその巨大さがうかがえます。
 この椅子を見てわかるのは飯塚の人ってずいぶん座高が高いのだな~ってことですね(違うわ!)。


 女性二人がひしと抱き合っているポスター。


   


 よく見るとキャッチコピーが「ホルモン食べてフェロモンアップ」。
 普段から女らしさが足りてない自覚がある女性に朗報です。
 ホルモンを食べたらフェロモンがアップするらしいですよ?(ほんとかよ)


 最後にこれ。


   


 もう何とツッコミを入れればよいかもわかりません。
 ヨシコさん、実在の人物なんでしょうか?


 以上です。


 番外ヘン。『SWEET FES.2014』会場で配っていたフリーペーパーの表紙の女の子がすっごく可愛い。


   


 どこかの芸能事務所に所属しているのかな?と思ってモデル名の「Uemizu Aya」を検索してみたけどまったくヒットしなかった。この子がまったくの素人で、フツーに飯塚の街の中を歩いてるんだとしたら、飯塚ってやっぱり侮れないなと思う。
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『SWEET FES.2014』に行ってきました。

2014-02-16 20:54:04 | 日常
 先週の土曜日にイチゴ狩りに行ってきたばかりですが、今週は今週でイイヅカコスモスコモンで行われた『SWEET FES.2014』に行ってきました(どーでもいいことですがカタカナで十一文字というのは目に優しくないですよね。非常に読みにくい。頭の「イイヅカ」ぐらい漢字でよいのでは?と思います。)。

 イチゴ狩りもそうだったんですが、ケーキバイキングというのも生まれてこの方経験したことがなかったので一度やってみたかったんですよね。
 何事も実際やってみなければわからないことがありますからね。
 とりあえずトライできるものはトライしてみる、というのが信条です。まぁ信条にするほど何事にもトライしているわけではないですが。笑。

 さて、生まれて初めてのケーキバイキングってことでいろいろわからないことがあったのですが、その一つが夕方四時からのケーキバイキングの場合、昼食は取るべきか、取らざるべきか、ってことでした。
 ケーキバイキングはこの日五回行われたのですが、チケットは発売日当日に購入したにもかかわらず四時からの回しか取れなかったのです。案外人気イベントってことですね。
 二時からであれば我慢するのだけれど、さすがに四時まで何も口にしないというのはつらいなぁと思って、嘉穂劇場の向かいにある鶏料理専門店でお昼を食べました。が、これが罠でしたね。
 もうね、めちゃめちゃ美味かった!!
 ランチがとりめしに唐揚げととり皮と若鶏のタタキときも煮と吸い物がついて¥800というのは超安いと思いました。
 四時からケーキバイキングというのに、十二時の時点でお腹が一杯という、、、人間の業を感じずにはいられませんでしたね。笑。

 それでも時間があったので先月お世話になった『マサジアートギャラリー』に挨拶に行きました。
 もしかしたら顔を忘れられているかも、と思いましたがさすがにそんなことはなかったです。
 ギャラリーで少し時間を潰し、三時過ぎにイイヅカコスモスコモンへ向かいました。
 河川敷の無料駐車場に車を停め、飯塚のアーケード街をぶらついて、会場に着いたのは三時半ぐらいだったかな。開始十五分前ぐらいに列に並び、しばし待ちました。
 四時になり、テーブルに案内されたのですが、会場を見渡す限り野郎一人で参加したのは自分だけでしたよ。笑。あとは家族で、カップルで、女友だち同士でって感じでした。

 以下自分が食べたケーキです。


   

   

   

   

 
 計十二個のケーキを平らげました。一個一個が小さめなので、ケーキ一個は簡単に食べれちゃうのです。
 ただ、それでも美味しいと思えたのは最初の三個ぐらいまでだったかなぁ。六個過ぎたあたりで本当にきつくて、残り三個は半ば意地で食べました。笑。

 イチゴ狩りの記事で、本当に美味しいイチゴを食べたいと思ったらイチゴ狩りではなく、フルーツパーラーにでも行くべきだ、というようなことを書きました。
 同じことがケーキバイキングでも言えますね。
 本当に美味しくケーキを食べたいのであれば、ケーキバイキングではなく、普通ににケーキ屋さんに行って、一個のケーキを買って食べるべきだと思います。
 ケーキバイキングではケーキの味は味わえない。

 何だか実も蓋もないことを書きましたが、ただ、イベントとしては(イチゴ狩りと同様)ケーキバイキングもアリだと思うんですよ。
 家族やカップル、友だち同士で行くケーキバイキングはきっと楽しいはずです(野郎一人で楽しいかどうかは定かではない)。

 さて、自分はこの日十二個のケーキを食べたわけなのですが、実は今、この記事を書いている時点では自分の食べたケーキが何という名前のケーキなのかがわかりません。
 会場ではわかったんですよ。
 渡された用紙にケーキの写真と名前が載せてあったので。
 ただ、その用紙が順位を決める投票用紙にもなっていて、会場を出る際、回収されちゃったんですよね。
 これはない、と思いましたよ。
 だって、もしこの日美味しいケーキと出会えたとしても、それが何という名前で、どこで売っているケーキなのかわからなければ、もう一度食べたいと思っても食べようがないですからね。
 その場でケーキを食べて、はい、終わり、ではイベントに広がりがないと思います。
 今日食べたケーキが普段はどこで売られているケーキなのか、それを紹介する冊子をイベント参加者に配るぐらいはやってくれてもいいんじゃないでしょうか。無理難題だとは思わないけどな。

 そんなわけで初めて参加したケーキバイキングは、野郎一人で参加するものでないということが分かっただけでも有意義でした(それぐらい参加する前に分かれ)。
 来年は参加することはないと思います。少なくとも一人ではね。
 まぁ自分にケーキバイキングに誘えるような友人や彼女が出来るとも思えないので、たぶん参加しないでしょう。

 などとやたらネガティブなまとめ方で初めてのケーキバイキングのレポートは締めたいと思います。

 来年のSWEET FES、誰か一緒に参加しよう!!
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ペガサスがいっぱい。

2014-02-15 23:54:21 | 折り紙・ペーパークラフト
 先日久しぶりに折り紙でペガサスを折ったことを記事に書きました(こちら)。
 が、反応も反響もま~ったくなし。笑。
 まぁ慣れてるからいいですけど。。。

 でも3月のアクロス福岡での展示会に向けてひたすらペガサスを折り続けています。
 こんな感じ。


   


 なぜひっくり返しているかというと、足先は弱くて潰れやすいからです。
 意味なく大量に折っているわけではなく、少しずつ改良を加えています。
 最新版はこれ。


   


 自分ではなかなかカッコいいのではないか?と思っているのですが、やっぱり反応も反響もないんだろうなぁ~。涙。

 ちなみに不切正方形一枚折りですよ、当然。

 あと折り図の公開予定はありませんが、余った作品を差し上げること自体は構わないので、よかったらアクロス福岡での展示会にお越しください。
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男ならこの映画を観ろ!と言いたい『ラッシュ/プライドと友情』。

2014-02-14 21:52:10 | 新作映画
 ロン・ハワード監督、ダニエル・ブリュール主演、『ラッシュ/プライドと友情』、2/14、イオンシネマ筑紫野のレイトショーにて鑑賞。2014年7本目。


 2014年の2月は、近年ではちょっと記憶にないほど映画の良作が公開される1ヶ月だと思います。去年の11月には一月に9本劇場で映画を観ましたが、確実にそれよりレベルが上ですね。
 ただ、あまりに公開が一時期に集中するため、観れない作品もあって、どうしてあと1ヶ月早く公開してくれないのか、と恨みがましいことを思ってしまいます。
 この『ラッシュ/プライドと友情』も危うく観逃すところでしたが、何とかレイトショーで観てきました。
 いやぁ、本当に観てよかったです。超絶的傑作でした。

 自分は何ていうか捻くれ者なので、「感動の実話!」と謳われた時点でかなりの確率で観る気が失せるんですよね。
 自分にとって実話も創作も同価値であり、その点では実話を元にしていても一向に構わないのですが、それをあえて全面に押し出されると何だかな~と思ってしまうのです。

 本作も実話を元にした映画ではあるのですが、実際観てみると、その見せ方の上手さに舌を巻きました。
 ロン・ハワード、これまで意識したことはなく、好きな映画監督でもなかったったのですが、本作は彼の最高傑作だといっていってよいでしょう。

 本作のどこがいいのか、、、あまりに傑作すぎると、どこがいいのか返って説明しにくいんですよね。とにかく観ろ、としか言えない。笑。

 モータースポーツの最高峰、F1グランプリを舞台にしたニキ・ラウダとジェームズ・ハントという二人の天才の戦いを描いたヒューマン・ドラマです。
 いや、ほんとこれほど「ヒューマン・ドラマ」という表現が相応しいスポーツ映画も珍しいんじゃないかな。
 単純に勝った、負けたっていうお話ではないんですよね。
 戦いに臨む際はベストを尽くす、相手に対して敬意を持つ、勝利を至上とはしない、ときには勇気ある撤退も必要であるetc。
 本作はモータースポーツの映画ではあるのですが、本作で描かれていることは何もスポーツに限ってのことではないんですよね。
 すべての勝負事、引いては生きていく上で言えると思います。
 まぁ目の前にぶら下がっている勝利をあえて放棄することなど、凡人の自分には簡単に出来ることではないですけどね。笑。

 ともかく、すべての人に観て欲しい映画です。何だか興行収入も思わしくないみたいなので一人でも多くの人に観に行って欲しいです。
 ただ、、、吹替え版の声優がKinKiKidsの二人なんですよね(どっちがどっちかは知らないけど)。
 それは観ない方がいいと思います。字幕版と吹き替え版を観比べての意見ではないですけど、アイドルが声をあてるような映画ではなかったですから。
 吹替え版を作るにしてもフツーに専門の声優に演じてもらえばよかったと思うのですが、映画会社はそれで女性客を取り込めると思ったんでしょうか?
 そういう映画ではないと思うんですけどね…。


 お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。


 次回鑑賞は『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(2/22公開)の予定です。今度こそ間違いないでしょう、たぶん。
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久しぶりに試写会が当たった!『LIFE!』。

2014-02-13 23:21:35 | 新作映画
 ベン・スティラー監督・主演、『LIFE!』、2/13、イオンシネマ筑紫野での試写会にて鑑賞。2014年6本目。


 先日の記事で次に観る映画は『キックアス/ジャスティス・フォーエバー』の予定、もしかしたら『ラッシュ/友情とプライド』になるかも、なんてことを書きましたが、『LIFE!』の試写会が当たったことをころっ♪と忘れてました。笑。

 とはいえ、仕事を途中で抜け出して観に行ったので(社長、ゴメンなさい!)、冒頭の五分弱は観れず。まぁ(お話を理解するのに)支障はないでしょう、たぶん。

 何ともまぁすんげー贅沢な映画でしたよ。
 ベン・スティラー演じる主人公のウォルターは空想好きな男なのですが、本作では彼の空想がわかりやすく映像化されます。
 リストラ担当の嫌味な上司とのオモチャの奪い合いは(この時点ですでに彼の空想ですが)『マトリックス』ばりのド派手な戦闘アクションへと変容するのです。
 ドラマや映画の中で空想や妄想が映像化されること自体は別段珍しくないですが、ここまで金をかけて映像化するものかと感心してしまいました。

 贅沢なのは空想シーンにとどまりません。
 ウォルターは紛失した写真のネガを(正確にはその写真を撮ったカメラマンを)探し求めて、グリーンランドからアイスランド、アフガニスタンからヒマラヤまでひたすら旅をするのですが、映像を見ていると実際そこに行ってるっぽいんですよね(もちろんCGである可能性は否定できない)。
 そのワンシーンのためにそんなロケを組むのかと妙に感心しましたね。

 他にも感心することは多かったです。
 ともかくワンシーン、ワンカットが美しいんですよ。それこそ絵葉書のような?構図にも作り手のこだわりが見て取れました。

 ただ、感心することはあっても感動はしなかったかな(配給会社は本作を感動作として売りたいようですが)。
 ラストシーンでウォルターは十八年間まじめに仕事をしてきたことを称えられるのですが、それに関する具体的なエピソードが一つもないので、著しく説得力を欠くんですよね。
 っていうか、仕事中にパソコンでフェイスブック(に似たサイト)を覗いたり、意中の女性に見惚れたり、空想してボーっと突っ立ったりしているウォルターを指して、彼は仕事人間だったと言われてもね。いや、自分も仕事中しょっちゅうボーっとしてるけどさ。笑。

 まぁそんな感じで、感動作としては正直どうかなと思いますが、映像的な美しさに関しては一見の価値があると思いました。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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そこそこ面白くはあった『マイティ・ソー/ダークワールド』。

2014-02-12 21:16:15 | 新作映画
 クリス・ヘムズワース主演、アラン・テイラー監督、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』、2/11、鑑賞。2014年5本目。


 公開されてからなかなか観に行けないでいた『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』をよーやく観てきましたよ!

 と、本文に入る前にちょっと聞いて欲しいことがあります。

 その日自分は珍しく時間に余裕をもって映画館の中に入りました。自分の場合、本編上映開始ギリギリになって入場することも多いのです。
 それで自分が座っていた席の一つ後ろの列の、少し離れた席に、とてもアメコミ原作の映画に興味がありそうには見えない(というのは偏見ですが)60才前後のオッサンがふんぞり返って座っていました。
 まぁふんぞり返って座っているだけならこっちも別に文句を言うことじゃないんですけど、そのオッサン、やおら靴を脱いで足を前の席のヘッドレストに投げ出したんですよ。靴下も何もはいてない素足を。
 それを見て、すっごく嫌な気分になりましたよ。
 少し離れているとはいえ、視界の端に小汚いオッサンの足がちらちら映るんですから。
 意を決してそのオッサンに「ヘッドレストは頭を置く場所なんだから足を置かないでください」って注意したんですよね。
 そしたらそのオッサンそのときは大人しく足をひっこめたんですけど、上映開始寸前になって自分の席のところまでやってきて、「怪我をして足が痛いからあの姿勢で観てるんだ。誰にも迷惑をかけるわけじゃないのに(ヘッドレストに)足を置いて何が悪い」みたいなことを言うんですよ。
 もうね、ほんと嫌な回に観に来てしまったなと思いましたよ。
 誰にも迷惑をかけないって、自分の目線と同じ高さに小汚い足を置かれるのは充分迷惑なんだけれど。
 こう言っちゃなんだけど、2時間まともに座っていられないほど怪我が重傷なら、映画なんか観に来なければいいのにって思いましたよ(断っておきますが身障者は映画館に来るな!という意味ではないですよ、念のため)。
 だいたい自分の席までフツーに歩いてきてるんだから、「怪我をしている」という自己申告も怪しいところです。今流行りの詐病ですかね。
 ともかくそんな木違いオヤジの相手はしてられないなと思って、上映終了後、どちらの言い分が正しいか、映画館の人に判断してもらいましょうと言ってその場は収めました。
 もちろんそんな面倒はご免だったので、本編終了後さっさと退出しましたけどね。
 おかげでおまけの本編終了後映像は観損ねちゃいました…。

 例え怪我をしていたとしても、だからといってヘッドレストに足を置いても良いってことにはならないと思うんですけど、自分の考えが間違ってるんですかね?
 あー、ホント嫌々。ああいった老人にはなりたくないもんだよ。。。

 長くなりましたが閑話休題。
 そういったことがあって、映画にはあまり集中できなかったんですが、幸い(?)本作は集中して観なければならないような映画ではありませんでした。
 一言で言えば、ソーとロキという血の繋がらない兄弟が、あぁん、ソーお兄様ったら♪ロキ、こいつぅ生意気だゾ♪とイチャイチャ乳繰り合う映画でしたよ(←間違っているんだけど、そういった補完映像が脳内に流れるような映画だったってこと)。

 ケネス・ブラナーが監督した前作に比べたらはるかに面白く、見せ場もあり、出来が良いのですが、逆に言えば前作があまりにつまらなかったので出来がよく思えるのかもしれません。
 客観的に言ってそこそこの面白さですが、『アベンジャーズ』をシリーズ全作追っかけているという人やその手の禁断の愛を描いた映画が好きという人でなければ観ないでいいと思います。


 お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。


 次回鑑賞は『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(2/22公開)の予定です。その前に『ラッシュ/友情とプライド』を観るかもしれないけど…。


ps.本編終了後の映像ってどんな内容だったんですかね?たぶん『キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー』の登場人物の顔見世だとは思うんだけど、違うのかな?
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イチゴ狩りに行ってきました。

2014-02-11 20:34:00 | 日常
 好きなフルーツは何ですか?と聞かれたら、躊躇なく「イチゴ!」と答えるぐらいイチゴが好きです。
 モモも好きだし、ミカンも好き、フルーツは全般的に好きですが、イチゴは別格なんですよね。

 でも最近、イチゴを食べて「美味しい!」と思うことはありません。
 この「最近」というのが具体的にいつぐらいからかというと、『あまおう』というブランドが幅を利かせるようになってからですかねぇ。
 あまおうって確かに粒が揃っていて大きく、見た目は良いのですが、甘い!って感じはしないのです。
 昔のイチゴって不揃いで形もイビツでしたが、鮮烈に甘かった記憶があります。う~ん、思い出補正が働いてるのかなぁ。

 まぁでもイチゴ好きには違いないので、一度イチゴ狩りに行ってみたかったのですが、今日念願叶ってイチゴ狩りに行ってきましたよ。こちら

 しかしまさか家から車で十五分ぐらいの距離のところにイチゴ狩りが出来る農園があるとは思ってもみませんでした。笑。何となくもっと郊外にあるようなイメージがあったんですが、よくよく考えてみればイチゴってミカンやリンゴと違って栽培するのにそこまで広い土地はいらないですから(あくまでミカンやリンゴなどに比べて)、農園を開くのにも出来るだけ都市部に近い方が何かと都合がいいのでしょう。

 さて、初めて♪のイチゴ狩りの感想はというと、、、おっとその前に写真を何枚か。


   


   


   


 一枚目の写真を見てもらえばわかるかな、とにかくビニルハウスが超広い、、、広いっていうか奥行きがありました。
 このだだっ広いビニルハウスの中に五種類の品種のイチゴが栽培されているのです。イチゴの香りが何とも言えず鼻を刺激します。

 さてあらためてイチゴ狩りの感想を書くと、ぶっちゃけ純粋に美味しいイチゴを食べたいという人にはイチゴ狩りはお薦め出来ません。
 なぜかっていうと、イチゴ狩りが出来るイチゴ農園ではそうそう完熟したイチゴの実が成っているわけがないからです。特に人気のイチゴ農園であればなおさら。
 美味しいイチゴを食べたいという人はデパートなどにある高級フルーツパーラーにでも行った方がいいと思います(自分は行ったことないけど!)。

 が、イベントとしてのイチゴ狩りは充分アリだと思います。
 もうね~、周りがイチゴだらけってだけでもイチゴ好きにはたまらないひと時なんですよ。
 完熟していないイチゴちゃんを狩って狩って狩りまくりましたよ(この一文だけ抜き出すと危ない人のようだ…)。

 まぁでも冒頭で書いたような「めちゃめちゃ甘い!」と思えるようなイチゴには出会えませんでしたけどね。
 そういったイチゴを食べようと思ったら、やっぱりフルーツパーラーにでも行くしかないのかもしれません。
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まぼろしのわらび餅。

2014-02-10 20:55:14 | グルメ・おやつ
 土曜日はふくろうカフェに行ったのですが、カフェがある上川端商店街で思いがけず美味しいものを見つけたんで報告しちゃいます。
 その美味しいものとは『博多わらび餅』。


   


 写真を見てもらえばわかると思いますが、おじさんがリアカーを引いてわらび餅を売り歩いてるんですよ。そのわらび餅が超絶品で、しかもリアカーの出没場所が一定でないので、一部では「まぼろしのわらび餅」と呼ばれています。

 自分も懐かしくて思わず買っちゃいました。


   


 大きさは大(¥500)、中(¥350)、小(¥200)、それにモナカ(¥100)の4サイズがあり、写真はこの日食べたモナカ。
 これをアイスモナカよろしくパクつくわけですが、超美味いのです。
 わらび餅なんてそれこそコンビニでもスーパーでも売っていますが、あれとはまったくの別物。
 あまりに美味しかったのでお土産用に小をまた買ったのですが、本当はその場で食べるのが一番美味しいです。

 おじさんと少し話をしたんですけど、一時期は50台以上あったリアカーもこれが最後の1台だそうです。寂しい話だ。
 こんなに美味しいわらび餅なんだから店舗を構えたらいいのにと言ったら、おじさんは事も無げに「あるよ」と答えました。
 え…。まぼろしのわらび餅がまぼろしじゃなくなっちゃったよ。笑。
 南区の方にお店はあるそうです。
 名刺をもらったんで今度行ってみようと思ってます。
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清々しいぐらいに力技だった『スノーピアサー』。

2014-02-09 22:22:17 | 新作映画
 クリス・エヴァンズ主演、ポン・ジュノ監督、『スノーピアサー』、2/8、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2014年4本目。


 ポン・ジュノ監督(以下ポンちゃん)の最新作『スノーピアサー』を観てきましたよ。
 ポンちゃんの最新作『スノーピアサー』は氷河期が訪れた近未来で、最後に生き残った人類を乗せ、ひたすら弾丸列車が氷の世界を走り続ける、というある種のディストピアSFです。

 予告編を観て、すんごい面白そうな映画だなと思いました。
 そして同時にいくつかの疑問も浮かびました。
 例えば、氷河期が訪れた近未来で弾丸列車が走り続けるのはいいとして、その線路の保全は誰がやっているのだろう?とか、その弾丸列車のエネルギー源は何だろう?とか、そもそもなぜ弾丸列車で移動し続けなければならないのか?なぜ固定式の施設ではいけなかったのか?といったことです。
 自分はそれらの疑問は映画を観れば自ずと答えがわかるのだろう、そう思ってました。
 が、実際に観てビックリ。
 それらの疑問に対する答えは一切示されなかったからです。
 18年間ひたすら列車は走り続けているというのに線路に亀裂や破損はなく、動力源こそ「永遠のエンジン」だと明かされますが、それがどんなエネルギーで動くかは不明で、弾丸列車が移動し続けなければならない具体的な理由は説明されません。
 
 まぁ結局ポンちゃんはこう言いたいのだと思います。
 人間、小さなことにこだわるな。
 なので、小さいことにこだわらずにはいられない、器の小さな人には本作は到底お薦め出来ません。
 でも、そうではない、性格がおおらかな人には本作は映画的な面白さに充ちていて楽しめるんじゃないでしょうか。

 お薦めポイント、その1。あなたがこれまで見たことのないティルダ・ウィンストンが見れる。
 ティルダ・ウィンストンってこれまで(といっても出演作を全作見てるってわけではないけど)お上品な奥様や冷酷な魔女など、とにかく「美しい」役が多かったじゃないですか。
 しかし本作のティルダ・ウィンストンは、、、何て言うか、観ていて口があんぐりとなりましたよ。こんな演出が出来るのはポンちゃんだけだろうって思いましたね。

 お薦めポイント、その2。独特のブラックユーモア。
 ポンちゃんの作品には独特のブラックユーモアが見て取れるじゃないですか。それがポンちゃんらしさというか。本作においてもそれは健在で、例えば妊娠している女教師が歌うように独裁者を褒めたたえながら主人公に向かって銃を乱射するんです。こんなまともじゃないシーン、笑うしかないでしょ?

 お薦めポイント、その3。えげつないシーンの見せ方が上手い。
 これは韓国映画全般に言えることじゃないかと思っているのですが(まぁ偏見ですが)、韓国映画ってえげつないシーンの見せ方が上手い。直接的に見せればいいってわけではないことを充分わかっている。ポンちゃんにもそれは言えてる。
 そこらへんのところは日本人の監督は敵わないよな~と思うのです。

 などと褒め称えていますが、実際のところ自分は器の小さい人間なので、観ていて「何でやねん!」と突っ込むことが多かったですけどね。笑。
 そんなわけで個人的な評価は高くないですが、変わった毛色の作品が観たいという方にはお薦めです。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。


 次こそは『マイティ・ソー/ダークワールド』を観に行くと思います。たぶん…。
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