この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

やっぱり監督はマシュー・ヴォーンでお願いしたかった『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』。

2014-02-22 20:41:11 | 新作映画
 アーロン・テイラー=ジョンソン主演、ジェフ・ワドロウ監督、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』、2/22、TOHOシネマズ天神にて鑑賞。2014年8本目。


 2010年に公開された『キック・アス』の続編『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』を観てきました。
 ストーリー的には正統な続編ではあるのですが、最大の違いは監督がマシュー・ヴォーンからジェフ・ワドロウにチェンジしていることでしょうか。
 やっぱり監督はマシュー・ヴォーンでお願いしたかった、というのが偽らざる気持ちですね。

 まず、シナリオの出来がイマイチだったような気がします。一つ一つのエピソードが上手く活きていないっていうか、繋がっていないっていうか。
 例えば父親をキック・アスに殺され、復讐に燃えるクリスが組織の元締めである、収監中の大叔父に刑務所へと呼び出されるシーン。そこでクリスは大叔父からこれ以上暴走するんじゃないと諌められます。
 ここまではわかるんですよ、ここまでは。
 でも大叔父はその場でクリスに彼が唯一家族と認めるボディガードのハビエルを始末する様子を電話で聞かせるのです。
 ん~~~、よくわからないなぁ。どうしてクリスの暴走を止めるのに彼のボディガードを始末しなくちゃならないのか。
 見せしめのため?それともハビエルはお役御免だった?
 そんなことをすれば余計に手が付けられなくなるのがわかりそうなものだけど。
 何だかクリスを無理矢理暴走させるためにハビエルは殺されたような印象を受けました。

 またマザー・ファッカーと名を変えたクリスはキック・アスへの復讐のために白昼堂々住宅街に乗り込み、キック・アスの恋人に暴行を加えるのですが、駆け付けた警官たちを彼の部下であるマザー・ロシアが皆殺しにしてしまいます。
 いくらなんでもそれはやり過ぎでは?と思わないでもないですが、そこまではいいです。
 問題はその後、クリスが警察を買収しているとわかるシーンがあることです。
 いくら腐敗していたとしても、自分たちの仲間を殺しまくるような悪党と取引するような警官はいないんじゃないかと思いました。

 あと、決戦に向けて不利を悟ったキック・アスとヒット・ガールは自らのフェイスブックに正義の志を持つ人々へ助けを求める書き込みをします。
 これもないだろうと思いましたよ。
 特定の誰かに助けを求めるというならともかく、不特定多数の相手に助けを求めるなんて。
 そんなことをすれば敵にも自分たちが今から襲撃することを教えるようなものじゃないですか。

 そんな感じでどのシーンにもほんのちょっと「?」って首を傾げたくなる箇所があるんですよ。
 とはいえそれらはすべて重箱の隅として片づけてもいいようなことなんです。
 だって本作はアクション映画なのですから、アクションに魅力があれば多少の脚本の不備は目をつぶってもいい。
 それが出来ないのは肝心のアクションに魅力がないからなんだと思います。

 何だかやたら辛口のレビューになっちゃいましたが、それも前作があまりに傑作すぎるがためなんですよね。
 本作も単体で観れば、そこまで出来の悪いアクション映画ではない。点数をつけるとすれば七十点かな。
 ただ、前作が百点満点だったため、七十点だとひどく出来が悪いように感じられてしまう…。

 なので本作は逆に前作を見ていない人に薦められるかもしれません、、、まぁ前作を見ていない人が観に行くとも思えませんが。笑。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。


 次回鑑賞作品は『ホビット 竜に奪われし王国』(2/28公開)の予定です。
コメント (4)
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