放射能でヒステリックな反応はやめよう

　京都の大文字焼きですったもんだ、成田山新勝寺にも抗議の電話、といろいろと放射能についてはかまびすしい。
　まあ、あまりヒステリックにならないほうがいい、としかいえない状況だ。今日の新聞で福島地裁の側溝から18万ベクレルのセシウムが検出されている。10万ベクレルが限界だから、この値の場所は隔離しなければならない。
　水や汚泥がたまりやすい場所で、きっと蓄積してきたのだろう。つまり福島原発の周辺100km以上の範囲は、かなりの濃度で汚染されており、放射線が拡散しないところでは、こうした高濃度になってしまっているのだろう。
　陸前高田の松にセシウムがあるなら、周辺の木々にも土にも、そこら中に放射能がばらまかれているわけだ。一説には福島原発の放射能汚染は、広島型原爆の20～30発分という話もある。
　 最近の福島原発の破壊の有様をテレビで見ると、きっとその爆発は凄まじかったろう。我々は白い煙がふわっと空中に上がった程度の映像しか見ていないが、そんなレベルではなかったはずだ。だからアメリカは周囲80kmの外へ避難しろ、と緊急にアドバイスしたのだろう。
　国民はほんとうのことを知らされていないし、御用学者は勝手な数字を並べるし、定説がないという理由で、危険を煽る学者を無視する。
　どちらが正しいかは別にして、東日本は放射能に汚染されてしまったことは確かだ。ほっておいても自然放射線で1ミリシーベルトを浴び、これにプラス1ミリで年間2ミリシーベルトまでは安全、というが、きっともっと汚染は進んでいよう。この中で我々は生きているのが現実だ。
　しかも、もっと悪いことに、まだ福島原発から放射能は出続けていることだろう。汚染は進行中だ。
　政府が直ちにすることは、そうした現実を認め、できる限り早めに原発をなにかで覆いシールドすることではないか。中の作業は継続しなければならないから困難な封じ込めになるだろうが、そうして放射能が外に出ない状態を作ると同時に、周辺の放射能レベルを正確に測り、ホットスポットマップを作成し、公表することだろう。
　現状では、いちいちセシウムのレベルがどうとか、どこが汚染されているとか、ヒステリックに反応しても意味がない。それで放射能がなくなるのか、と思う。
　国民ができることは、冷静にしっかりと政府のやっていることを見守ることではないだろうか。まあ、代表選に明け暮れる民主党では、見守っていることの徒労感があるだろうが。
　
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