なぜか緑澤君は屋上の鍵を持っていた。どやって手にいれたんだろう??
「僕ね、科学部に入ったんだよ。そこでこないだ花火の作り方を教わったんだ」
重そうな扉が開くと、七月の空が目の前に広がっていた。
「作ってみたから、山本さんに見て欲しくて」
「・・・ちょっと話が見えないんだけど」
ニコニコしている緑澤君に疑問をぶつける。
「考えてみたら、今、授業中だよね? 何でここにいるの?」
「僕も早退したんだ」
よく分からない・・・。
「屋上の鍵、どうしたの?」
「前に部活で、屋上で作業をしたときに合い鍵作っちゃったんだ」
作っちゃったって・・・。
「で、なんで花火なの?」
「前に遠足で同じ班になったときに、花火が好きだって話してたでしょ。山本さん」
そんな話したっけ? 花火好きは本当だけど・・・。
「で、なんで私に見せてくれるの?」
「だって今日、山本さん誕生日でしょ?」
え?
「何で知ってるの?!」
「だって今日、七月七日だもん。七が重なる日に産まれたから名前が七重でしょ?」
確かにそうだけど・・・。
「ほら、これこれ。これを打ち上げるから」
嬉しそうに、緑澤君は白い筒を見せてくれた。……筒?
「ちょっと待って。花火って打ち上げなの?」
「そうだよ?」
そうだよって・・・。
「打ち上げってことは大きな音がなるんじゃないの? 今授業中だよ。ここ学校の屋上だよ? そんな大きな音鳴らしたら……」
「大丈夫。あげたらすぐに逃げようね!」
「はあああ?! ちょっと待ってよ!」
「じゃ、行くよ~」
私の静止も聞かず、緑澤君は筒を机の上にセットして、導火線に火をつけた
ジジジジジっと火の焼ける音がする。
「離れて離れて!」
緑澤君に腕を引かれて階段の扉の前まで連れてこられる。
「ちょ、ちょっと・・・、あ!」
ヒュンっという音とともに何かが筒から放たれた。
小さな爆発音とともに、7月の空に小さな小さな白い光が花開いた。
胸の奥にトンッと衝撃が伝わる。一瞬のことだったけれども、それはまぶしいほど輝いていた。
「僕ね、科学部に入ったんだよ。そこでこないだ花火の作り方を教わったんだ」
重そうな扉が開くと、七月の空が目の前に広がっていた。
「作ってみたから、山本さんに見て欲しくて」
「・・・ちょっと話が見えないんだけど」
ニコニコしている緑澤君に疑問をぶつける。
「考えてみたら、今、授業中だよね? 何でここにいるの?」
「僕も早退したんだ」
よく分からない・・・。
「屋上の鍵、どうしたの?」
「前に部活で、屋上で作業をしたときに合い鍵作っちゃったんだ」
作っちゃったって・・・。
「で、なんで花火なの?」
「前に遠足で同じ班になったときに、花火が好きだって話してたでしょ。山本さん」
そんな話したっけ? 花火好きは本当だけど・・・。
「で、なんで私に見せてくれるの?」
「だって今日、山本さん誕生日でしょ?」
え?
「何で知ってるの?!」
「だって今日、七月七日だもん。七が重なる日に産まれたから名前が七重でしょ?」
確かにそうだけど・・・。
「ほら、これこれ。これを打ち上げるから」
嬉しそうに、緑澤君は白い筒を見せてくれた。……筒?
「ちょっと待って。花火って打ち上げなの?」
「そうだよ?」
そうだよって・・・。
「打ち上げってことは大きな音がなるんじゃないの? 今授業中だよ。ここ学校の屋上だよ? そんな大きな音鳴らしたら……」
「大丈夫。あげたらすぐに逃げようね!」
「はあああ?! ちょっと待ってよ!」
「じゃ、行くよ~」
私の静止も聞かず、緑澤君は筒を机の上にセットして、導火線に火をつけた
ジジジジジっと火の焼ける音がする。
「離れて離れて!」
緑澤君に腕を引かれて階段の扉の前まで連れてこられる。
「ちょ、ちょっと・・・、あ!」
ヒュンっという音とともに何かが筒から放たれた。
小さな爆発音とともに、7月の空に小さな小さな白い光が花開いた。
胸の奥にトンッと衝撃が伝わる。一瞬のことだったけれども、それはまぶしいほど輝いていた。