創作小説屋

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月の女王-36

2014年10月10日 23時11分00秒 | 月の女王(要約と抜粋と短編)
 木の室から転がり落ちた香(ミロクの姿)。
 しかし、途中から何かに抱えこまれた感触があった。
 下まで落ちきってから、目を開けると……

「………クリス」
 当然のように、クリスの腕の中にいた。

「大丈夫か?!」
 心配そうにのぞきこんでくるクリスの瞳を見上げ……

 ムッとした。

「どうした?どこか打ったか?」
 オロオロというクリスを押しのけると、

「大丈夫。ありがとう」
 パタパタと体についた砂や木くずを払う。

 ここは木の根が作り出した、三畳ほどの狭い空間である。
 落ちた場所が違うのか、先に下りたはずの忍とミロクもおらず、イズミ・白龍・スタンも、香を突き飛ばしたアルもいなかった。

 不機嫌に木くずを払い続ける香に、クリスは心配そうに、

「どうしたんだよ? 本当はどっか痛いのか?」
「痛くない」
「髪にもついてる。ほら……」

 優しく頭をなでられるように木くずを取られ、香はムッとした顔のまま、クリスを見上げた。

「そうやって誰にでも優しいの、問題だと思う」
「へ? 」

 きょとん、とされ、香はぼそりと付け加える。

「自然に髪とか触るのも問題」
「………何の話だ?」
「………。何でもない」

 香の口はへの字のままだ。クリスは首をひねりひねり、

「オレ、別に優しくないぞ?」
「優しいじゃない。だからあんなに上手に編み込みもできたりするわけじゃない」
「………編み込み?」

 何のことだ? と頭をかしげるクリス。
 香は、大きく息をつくと、

「……ごめん。何でもない。早く行こう。そこ通れそうじゃない?」

 一か所だけ人が通れそうな隙間がある。香がクリスの前を通り過ぎようとすると、

「香」
 腕をつかまれた。ドキッとして立ち止まる。

「編み込みって……もしかして、カトリシアのことか?」
「…………」

 無視して行こうとするが、力強く掴まれていて進めない。

「もしかして……関係ない、とかいいながら……気にしてる?」
「…………」

 ゆっくりとクリスの方を振り向き……
 クリスの表情を見て、もーーーーーー!!と叫んだ。

「何なのよ!そのニヤけた顔はーーー!」
「え、だって……焼きもち……だよな?」
「ちーがーいーまーすーーーー!!」

 ギャアギャアと騒いでいるところに、

「いたいた二人。こっちにみんないるんだよ」

 隙間からアルが顔を出した。

「月が見えはじめたんだよ。月の女王がやってくるんだよ」



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短くてすみません。とりあえずここまでっ。
どうにか10日中に更新したかった。

はやくミロクとの入れ替わり、元に戻ってほしい。何もできやしないじゃないか(←何を?)


次は10月13日(月)体育の日、です。たぶん。
どこまで書けるかな~~。
コメント
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