木の室から転がり落ちた香(ミロクの姿)。
しかし、途中から何かに抱えこまれた感触があった。
下まで落ちきってから、目を開けると……
「………クリス」
当然のように、クリスの腕の中にいた。
「大丈夫か?!」
心配そうにのぞきこんでくるクリスの瞳を見上げ……
ムッとした。
「どうした?どこか打ったか?」
オロオロというクリスを押しのけると、
「大丈夫。ありがとう」
パタパタと体についた砂や木くずを払う。
ここは木の根が作り出した、三畳ほどの狭い空間である。
落ちた場所が違うのか、先に下りたはずの忍とミロクもおらず、イズミ・白龍・スタンも、香を突き飛ばしたアルもいなかった。
不機嫌に木くずを払い続ける香に、クリスは心配そうに、
「どうしたんだよ? 本当はどっか痛いのか?」
「痛くない」
「髪にもついてる。ほら……」
優しく頭をなでられるように木くずを取られ、香はムッとした顔のまま、クリスを見上げた。
「そうやって誰にでも優しいの、問題だと思う」
「へ? 」
きょとん、とされ、香はぼそりと付け加える。
「自然に髪とか触るのも問題」
「………何の話だ?」
「………。何でもない」
香の口はへの字のままだ。クリスは首をひねりひねり、
「オレ、別に優しくないぞ?」
「優しいじゃない。だからあんなに上手に編み込みもできたりするわけじゃない」
「………編み込み?」
何のことだ? と頭をかしげるクリス。
香は、大きく息をつくと、
「……ごめん。何でもない。早く行こう。そこ通れそうじゃない?」
一か所だけ人が通れそうな隙間がある。香がクリスの前を通り過ぎようとすると、
「香」
腕をつかまれた。ドキッとして立ち止まる。
「編み込みって……もしかして、カトリシアのことか?」
「…………」
無視して行こうとするが、力強く掴まれていて進めない。
「もしかして……関係ない、とかいいながら……気にしてる?」
「…………」
ゆっくりとクリスの方を振り向き……
クリスの表情を見て、もーーーーーー!!と叫んだ。
「何なのよ!そのニヤけた顔はーーー!」
「え、だって……焼きもち……だよな?」
「ちーがーいーまーすーーーー!!」
ギャアギャアと騒いでいるところに、
「いたいた二人。こっちにみんないるんだよ」
隙間からアルが顔を出した。
「月が見えはじめたんだよ。月の女王がやってくるんだよ」
-------------------
短くてすみません。とりあえずここまでっ。
どうにか10日中に更新したかった。
はやくミロクとの入れ替わり、元に戻ってほしい。何もできやしないじゃないか(←何を?)
次は10月13日(月)体育の日、です。たぶん。
どこまで書けるかな~~。
しかし、途中から何かに抱えこまれた感触があった。
下まで落ちきってから、目を開けると……
「………クリス」
当然のように、クリスの腕の中にいた。
「大丈夫か?!」
心配そうにのぞきこんでくるクリスの瞳を見上げ……
ムッとした。
「どうした?どこか打ったか?」
オロオロというクリスを押しのけると、
「大丈夫。ありがとう」
パタパタと体についた砂や木くずを払う。
ここは木の根が作り出した、三畳ほどの狭い空間である。
落ちた場所が違うのか、先に下りたはずの忍とミロクもおらず、イズミ・白龍・スタンも、香を突き飛ばしたアルもいなかった。
不機嫌に木くずを払い続ける香に、クリスは心配そうに、
「どうしたんだよ? 本当はどっか痛いのか?」
「痛くない」
「髪にもついてる。ほら……」
優しく頭をなでられるように木くずを取られ、香はムッとした顔のまま、クリスを見上げた。
「そうやって誰にでも優しいの、問題だと思う」
「へ? 」
きょとん、とされ、香はぼそりと付け加える。
「自然に髪とか触るのも問題」
「………何の話だ?」
「………。何でもない」
香の口はへの字のままだ。クリスは首をひねりひねり、
「オレ、別に優しくないぞ?」
「優しいじゃない。だからあんなに上手に編み込みもできたりするわけじゃない」
「………編み込み?」
何のことだ? と頭をかしげるクリス。
香は、大きく息をつくと、
「……ごめん。何でもない。早く行こう。そこ通れそうじゃない?」
一か所だけ人が通れそうな隙間がある。香がクリスの前を通り過ぎようとすると、
「香」
腕をつかまれた。ドキッとして立ち止まる。
「編み込みって……もしかして、カトリシアのことか?」
「…………」
無視して行こうとするが、力強く掴まれていて進めない。
「もしかして……関係ない、とかいいながら……気にしてる?」
「…………」
ゆっくりとクリスの方を振り向き……
クリスの表情を見て、もーーーーーー!!と叫んだ。
「何なのよ!そのニヤけた顔はーーー!」
「え、だって……焼きもち……だよな?」
「ちーがーいーまーすーーーー!!」
ギャアギャアと騒いでいるところに、
「いたいた二人。こっちにみんないるんだよ」
隙間からアルが顔を出した。
「月が見えはじめたんだよ。月の女王がやってくるんだよ」
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短くてすみません。とりあえずここまでっ。
どうにか10日中に更新したかった。
はやくミロクとの入れ替わり、元に戻ってほしい。何もできやしないじゃないか(←何を?)
次は10月13日(月)体育の日、です。たぶん。
どこまで書けるかな~~。