創作小説屋

創作小説置き場。BL・R18あるのでご注意を。

月の女王-40

2014年10月20日 20時53分31秒 | 月の女王(要約と抜粋と短編)
最近普通に書きすぎてて話が進まん、これじゃ終わらんと反省。
要約して話進めます。要約すればあと数回で終わるはず。

----------



 アーサーが月の女王の元に行くのは片道切符になってしまう、と、反対する香たち。
 それでも行きたいとアーサーが強固に言っていたところ、アル=イーティルが、

「発想の転換。マリアをこちらに連れてくればいいんだよ?」

と、言い出した。香・ミロク・アルによると、行くのは大変だが戻ってくるのはビューンと一っ跳びらしい。

 連れてきても魂の器がないことに関しては、アーサーが魂ごと引き受ける、と言う。


 もう一度、香たちが月の女王の元に行くことに関して危険はないのか心配はあったが、香とミロクがぜひマリアとアーサーを会わせてあげたい、といい、アーサーも、織田家・ホワイト家との和解に必ず協力する、と約束したため、クリスとイズミも渋々了承する。


 再び、月の女王の元へと行く香とミロク。アルもマリアを探すのを手伝う、と言って一緒に行ってしまった。

 今度ははじめから月の戦士4人揃ってのオーラ放出のため、先ほどよりも早く到着したようだった。


 香たちが戻ってくるのを今か今かと待っているところへ、

 ゴゴゴゴゴ………と地響きのような音がしてきた。

 なんだ?!と身構えたところに、真田が飛び込んでくる。

「お逃げください!」

 その途端、地面が激しく揺れ、木の根でできた壁も傾きはじめた。

「早く外へ!!」

 クリスが香を、真田がミロクを抱き上げ、外に逃げ出す。
 木の根でできた部屋を出てもなお、地面は揺れ続けている。

 月の女王が間近でまぶしい光を放っている。
 その念波のせいなのか、木が大きく揺れ、振動が伝わってきている。


「山が崩れる……っ」
「下まで降りるぞ!」
 
 一気に山を滑り落りる。

 香もミロクも目覚める様子はない。心配だがとりあえずは体の安全だけを考え、しっかりと抱きかかえて山から降りる。


 車道に出たところに、高村の車と桔梗のバイクが停まっていた。
 香を抱いたクリス、イズミ、白龍、ミロクを抱いた真田が高村の車に、忍が桔梗のバイクの後ろに乗りこむ。

「スタンは?!」

 クリスがハッと気がついて窓から見ると、リンクスに担がれたスタンが山から降りてくるところだった。
 先に行って、という身振りのスタンを認め、高村に出発を指示。

 車とバイクが山を離れた直後に、山が本格的に崩れた。
 月の女王も少しずつ遠ざかっていくようだった。

 車を道路脇のスペースに停めさせ、クリスと真田はあわててそれぞれ香とミロクを抱いたまま外に出た。
 バイクで追いついた忍もすぐにミロクの元にかけよる。


「香!戻ってこい!」
「ミロク!」

 必死の声。しかし応答はない。
 遠ざかっていく月の女王。

 白龍とイズミはなんとか気配を読もうとしているが、つかめない。


「香っ頼むから戻ってきてくれ……っ」
 香を抱きしめ、祈るクリス。

「アル……ミロク……」
 消え入りそうにつぶやく忍。

 そこへ……


「きた!」
「くる!」

 白龍とイズミが同時に叫んだ。

 まぶしい光が空から猛スピードで香とミロクに向かって飛んできて、2人の体にぶつかりパアンッと弾ける。
 
 ドクンッと体が波打つ。

「香!」
 ゆっくりと目を開ける香。そして、間近にあるクリスの瞳を見てふっと笑った。
 笑われたクリスがきょとんとする。

「なに?」
「……ここのところ、気絶して目が覚めるってこと多いじゃない?私」

 香が身を起こし、クリスの瞳を正面から見つめる。

「でも目が覚めると、たいていこの青い瞳が目の前にある」
「香……」

 クリスは優しく香の頭をポンポンッとたたいた。

「言っただろ? オレが必ず守るって。10年前からずっと言ってるんだぞ?」
「………それって」

 香は複雑な表情をして何かを言いかけたが、

「なんだ?」
「なんでもない」

 軽く首をふり立ち上がる。
 そして、遅れて到着したアーサーの元に歩みよった。

「アーサーさん……マリアさんを……呼ぶね」



------------------------




この、「戻ってきてくれ……っ」の叫び。

かーらーのー「青い瞳が目の前にある」。

このセットも、書きたかったリストに入ってました。
ああ、ここも無事に書くことができてよかった。


次回は10月22日(金)です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする