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風のゆくえには~巡合 目次・人物紹介・あらすじ

2016年03月22日 18時00分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 巡合
(2016年2月20日に書いた記事ですが、カテゴリーで巡合のはじめに表示させるために2016年3月22日に投稿日を操作しました)


目次↓

巡合1(慶視点)
巡合2-1(浩介視点)
巡合2-2(浩介視点)
巡合3(慶視点)
巡合4(浩介視点)
巡合5(慶視点)
巡合6(浩介視点)
巡合7-1(慶視点)
巡合7-2(慶視点)
巡合8(浩介視点)
巡合9-1(慶視点
巡合9-2(慶視点)
巡合10(浩介視点)
巡合11(慶視点)
巡合12-1(浩介視点)
巡合12-2(浩介視点)・完



人物紹介↓

主人公1:渋谷慶(しぶやけい)

高校2年生。身長161cm(高3時164cm)
中性的な顔立ちと背が低いことがコンプレックス。そのせいか、口が悪く、喧嘩っ早い。
人懐っこく友達は多い。でも交遊関係は典型的な『広く浅く』。浩介は初めての『親友』といえる。

ものすごい美少年。でも、本人に自覚ナシ。
中学時代はバスケ部在籍。その顔の上に、スポーツ万能で頭もそこそこ良かったため女子に非常にモテた。けれども、理想の女の子がいない、と言って全部お断りしていた。
8歳年上の姉・2歳年下(学年は一年下)の妹がいる。両親共働き。

高校1年の秋に、浩介への恋心を自覚。以来ずっと、気持ちを隠しながら健気に片思い中。
写真部所属。


主人公2:桜井浩介(さくらいこうすけ)

高校2年生。身長175cm(高3時176cm→大学2年177cm)
人の記憶にあまり残らないような平凡な顔立ち。
中学まで通っていた都内の私立男子校でいじめを受けていた影響で、高校ではとにかく笑顔でいることを心掛けている。
頭が良く、特に英語は学年首位の座を守り続けている(理数を含めると学年順位は毎回10位以内)。
威圧的な弁護士の父と過干渉な専業主婦の母がいる。一人っ子。

バスケ部と写真部に所属。
バスケ部の先輩・美幸さんに片思いをしていたけれど、美幸さんとバスケ部キャプテン田辺先輩のキューピットをして、自らは失恋(←『片恋』編)

何だかんだと常に暗~いことを考えてしまうネガティブ男子。
でもそれではダメだ!と一念発起(←『月光』編)。
慶の隣にいるのにふさわしい男になる、と頑張りはじめるけれども……



<2年10組>

溝部祐太郎(みぞべゆうたろう)
身長168cm。ちょっと太め。お調子者。野球部所属。

山崎卓也(やまざきたくや)
身長172cm。ヒョロリとしている。真面目で大人しい。鉄道研究部所属。

斉藤健一(さいとうけんいち)
身長170cm。明るく社交的。バスケ部所属。

浜野ちひろ(はまのちひろ)
身長153cm。色白。眼光が鋭い。独特の雰囲気を醸し出している。美術部所属。


<写真部>

渋谷南(しぶやみなみ)
高校1年生。身長155cm
慶の妹。今で言う『腐女子』。陰となり日向となり勝手に兄の恋を応援している。
せっかく美人なのに自覚がなく洒落っ気もないため、隠れ美人止まり。

橘真理子(たちばなまりこ)
高校1年生。身長149cm
ふわふわした可愛らしい容姿だが、実は腹黒いしっかり者。
実兄である橘雅己に片思い中。

橘雅己(たちばなまさき)
高校3年生。身長174cm
真理子の兄。学年首位。将来は実家の家業を継ぐため写真家への道は諦めている。


<バスケ部>

篠原輝臣(しのはらてるおみ)
高校二年生。身長171cm
部活内で浩介と組まされることが多く、二人セットで『しのさくら』と呼ばれている。
平均的男子。恋愛話大好き。常に彼女絶賛募集中。

荻野夏希(おぎのなつき)
高校二年生。身長158cm
慶と同じ中学出身。高1のとき浩介と同じクラス。

上岡武史(かみおかたけし)
高校二年生。身長173cm
慶と同じ中学出身。中学時代は慶と犬猿の仲だった。


<文化祭実行委員>

安倍康彦(あべやすひこ)
高校二年生。身長169cm
慶の元同じクラス。浩介以外で慶が一番仲の良い男子。通称ヤス。石川さんに片思い中。

石川直子(いしかわなおこ)
高校二年生。身長159cm
慶の元同じクラス。一年生の時からずっと慶に片思い中。

鈴木真弓(すずきまゆみ)
高校三年生。身長172cm
文化祭実行副委員長。



あらすじ↓

高校2年生2学期。

文化祭実行委員長になってしまった慶。忙しすぎて浩介とロクに話もできずストレスマックスな日々。
一方、浩介も、文化祭クラス委員になり、苦手な人前に立つ仕事に奮闘中。

そんな中、浩介は、慶の友人ヤスから、真理子が慶の理想の女子にピッタリだという話を聞かされる……

浩介がとうとう、慶への恋心を自覚する、かも?!
そして、小中学校時代のトラウマを乗り越え、本当の意味で学校生活を謳歌できるようになるための物語。



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明朝朝7時21分からはじまる『巡合(めぐりあわせ)編』の人物紹介とあらすじでした。
お読みくださりありがとうございました!

文化祭……青春ですね~~。
あ、でも、一回目の明日は、プロローグ的に体育祭の話!
この学校、体育祭は9月末、文化祭は11月頭、なんです。

と、いうわけで、新章もどうぞよろしくお願いいたします!

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BL小説・風のゆくえには~巡合12-2(浩介視点)・完

2016年03月22日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 巡合


 12月25日が終業式のため、24日は午前授業で3、4時間目は大掃除だった。

 慶とおれは掃除の班も同じなため、一緒に階段の掃除を担当していたんだけど、お互い階段の端から洗剤のついたスポンジで磨いていって、真ん中あたりでぶつかる度、一緒のバケツで雑巾を洗う度、嬉しくてしょうがない。

「お前、ニヤニヤしすぎ」

 慶に苦笑して言われたけれど、どうしても止まらない。
 大好きな人がそばにいて、その人もおれのことを好きっていってくれてて。こんなに幸せなことってない。

 夜のデートの約束までずっと一緒にいたかったのだけれども、あいにく午後からはバスケ部の練習。
 でも、その前に……


「見せたいものってなんだろうねえ?」
「さあ……」

 ホームルーム終了後、おれ達は写真部の部室に向かった。
 昨日、橘先輩の妹の真理子ちゃんから、慶の妹の南ちゃん宛に電話があり、伝言されたそうなのだ。

 橘先輩が、おれに見せたいものがあるから、放課後写真部の部室に来るように言っている、と……


 写真部の部室は鍵は開いているのに誰もいなかった。暗室にもいない。

「トイレかな?」
「まあ、待つか……。あ、お前、弁当食ってれば?」
「あ……うん」

 今ごろ、バスケ部員は体育館で弁当を食べているはずだ。おれも今食べないと食べそこなってしまう。

「うわっうまそー」
「……そう?」

 弁当を開いたなり慶に言われて、複雑な気持ちになる。毎日、毎日、栄養バランスの考えられたすべて手作りの完璧な弁当。その完璧さに追い詰められて息が苦しくなる……

「……食べる?」
 思わず言うと、慶が目を輝かせた。

「やった! じゃあ……これ!」
「うん」

 ピーマンやらニンジンやらが入った肉団子を箸でつまみ、顔をあげると……

(……うわっ)

 慶が、あーんって口を開いて待っている。その破壊力抜群の可愛さにクラクラきてしまう。
 なんとか平常心をかき集めて、慶の口の中に肉団子を放り込む。

「んーーーー、んめえっ」

 肉団子を頬張った慶が嬉しそうに咀嚼している。

「もっといる?」
「うん! あ、でも、お前も食え」
「うん」

 いつもは苦しくなる弁当も、慶と一緒だとおいしい。
 慶に時々あげながら、弁当を全部食べ終わり、幸せな気持ちが止まらなくて微笑み合っていたところで、

「え!?」
「わあっ!」

 いきなりのシャッター音に飛び上がってしまう。

「た……橘先輩!」
 いつの間に、ドアを入ってすぐのところで橘先輩がカメラを構えて立っていた。いつからいた……!?

「なんだ………」
 驚いているおれ達にもかまわず、橘先輩はもう一度シャッターをきると、

「君たち上手くいったんだな……なら必要なかったか………」
「え?」
「は?」

 上手くいった………って! えええ!?

「いや……渋谷には真理子の件で世話になったから、礼をしないとと思っていてな」
「え………」

 橘先輩、真面目な顔をしてこちらにやってくると、鞄をテーブルの上に置いて何かゴソゴソ取りだしはじめた。

 世話って……慶が真理子ちゃんを慰めた件?
 上手くいったって、それは、慶とおれが付き合いはじめたことをいってる……?

 頭の中が「?」でいっぱいの中、橘先輩に見せられたのは、2枚の写真………

「これを桜井に見せてやろうと思ったんだ」
「おれに……?」

 それは合宿の最終日、帰る直前に、橘先輩のカメラで、おれが慶を、慶がおれを撮った写真だった。
 自分で言うのもなんだけど……二人ともすごく柔らかい良い表情をしている。

 これが? と首をかしげたおれ達に、橘先輩は無表情に言い放った。

「愛に溢れている写真だろう」
「え………」

 愛に溢れて………

「アングルその他は平凡そのもので何の評価もできないが、この表情はプロでも撮れない」
「…………」
「君たちが思い合っている証拠だ」

 思わず慶と顔を見合わせる。
 思い合っているって………

「桜井が自分の気持ちに気がついていないようだったから、教えてやろうかと思ったんだが………気がついたんだな?」
「あ………はい」

 素直にうなずく。
 この人は、カメラのフィルターを通すと色々なことが見えてしまうのだろう……。

「お礼って……」
「渋谷が桜井に片思いしてることは最初から分かっていたからな。お礼に桜井を自覚させてやろうかと」
「……………」

 慶は額を押さえて複雑な表情でうつむいている。

「あの……」
 この際だから聞いてみたくなった。

「先輩に聞くのも変なんですけど……、おれって、いつから渋谷君のこと好きでした?」
「おま……っ何を……っ」

 慶は赤くなって顔を上げたけれども、橘先輩は淡々と答えてくれる。

「最初から友情以上の感情はあったようだが……変化があったのは、合宿の時だな……」

 合宿の時……憧れの『渋谷慶』でなく、慶自身と一緒にいたい、と気がついた……

「あと、体育祭後くらいから、色んな感情が渦巻きはじめたって感じか……」

 体育祭後……文化祭の準備が始まったころだ。慶の隣に並ぶのにふさわしい男になりたい、と委員を引き受けて……それと同時に醜い嫉妬心と独占欲が押さえられなくなって……

「被写体としては君たちは本当に優秀だったが……」

 橘先輩は再びカメラをおれ達に向け……でも、すぐに下ろした。

「なんか面白くなくなったな……。今までは、渋谷のうちに秘めた情熱を写真に写し出すことが面白かったのに……」

 肩をすくめる橘先輩。

「今はもう、その情熱が外までだだ漏れていて、面白くともなんともない」
「だだ漏れって……っ」

 慶、真っ赤。可愛い。
 橘先輩が次におれをみてため息をついた。

「桜井も、殺意すら滲んでたのに、すっかり穏やかになって……つまらんな」
「さ、殺意……」

 おれ、そんなに酷かった?

「まあ、それじゃあ礼は別に考えよう」
「…………あ、でも」

 思わず言葉が出てしまった。

「おれ、自分の気持ちに気がつけたの、橘先輩のおかげです。こないだの木曜日に橘先輩が言ってくださった言葉がきっかけなので……」
「え、何それ」

 すかさず慶につっこまれる。おれが答える前に橘先輩が「ああ、なんだ」と言葉を継いだ。

「いや、土曜日に二人を見かけたとき状況が変わってなかったから、もっとはっきり言わないとダメだったか、と思って今日呼び出したんだが」
「あ……そうだったんですか……」

 ほんとすごいなこの人………何もかもお見通しなんだ。

「じゃあ、これが礼ってことでいいな? 渋谷」
「って、だから何を言ったんですか?」

 橘先輩の言葉に、慶が眉を寄せながら言うと、橘先輩は無表情のまま告げた。

「喜怒哀楽の怒って話だ」
「怒?」
「まあ、詳しくは桜井に聞け。でもそろそろ時間じゃないか?」
「あ」

 あと8分で集合時間だ。まずい。まだ着替えてもいない。

「じゃ、また休み明けにな」
「……はい」
 慶は、釈然としない、という顔をしてうなずき、おれに「行くぞ」と声をかけドアに向かった。

「あの……ありがとうございました」
 橘先輩にあらためて頭を下げると、先輩は今日はじめてニヤリと笑った。

「今は喜と楽ばかりだな」
「………はい」

 かなわないなあ……と苦笑するしかない。

「浩介、遅れるぞ?」
「あ、うん」

 ドアを開けて待ってくれている慶にかけよる。
 大好きな慶がおれを待ってくれている。本当に、喜と楽ばかりだ。


***


「で、喜怒哀楽って?」

 クリスマスデートの帰り道、駅からのんびりと慶の家に向かって歩いている最中に、ついにそのことを聞かれた。

 今日はクリスマスだからピザを食べたい、というよくわからない慶の希望を叶えるために、自転車と荷物を慶の家におかせてもらって、電車でピザの食べ放題の店に行った。

 慶は細いのに良く食べる。今日もおれの倍は食べていた。でもさすがに食べ過ぎた!と最後にはフラフラになっていて、子供みたいでおかしくて、愛しくて、何度も何度も頭を撫でた。クリスマス一色の店内のおかげですっかりクリスマス気分。幸せな夜だ。


「あの文化祭のポスター、恋愛の喜怒哀楽を表そうとしたんだって」
「え、そうなのか?」

 文化祭のポスターとは、『恋せよ写真部』という煽り文句の書かれたポスターで、柔らかい笑顔の慶と、泣き顔の真理子ちゃんの写真が使われていた。

「慶のが『喜』、真理子ちゃんが『哀』。それで、こないだの木曜日に橘先輩がおれを撮った写真が『怒』になるって」
「怒?」

 不思議そうな顔をした慶の頭を再び撫でる。

「おれ、慶と真理子ちゃんが仲良くしてるのがムカついてしょうがなくて……。橘先輩にその顔が『嫉妬に怒り狂った恋する男の顔』だって言われて……」
「怒り狂ったって……」

 撫でている手を上から押さえられた。

「お前、前から妙に真理子ちゃんにこだわってるけど、真理子ちゃんとは本当に……」
「真理子ちゃんだけじゃないよ」

 手を裏返してぎゅっと掴む。

「慶と仲良くする人はみんな嫌だった。石川さんも安倍も上岡も、みんな許せなかった」
「……………」

 慶は困ったような、でもちょっと照れたような表情になっている。

「それで気がついたんだよ。慶のことが好きだって」
「…………」

 慶の頭の上で繋いだ手が強く握り返される。愛しい体温が伝わってくる。
 慶の手はいつでも温かい。おれの冷たい手を包み込んでくれる。

「慶は……あのポスターの写真の時、何を見てたの?」

 喜怒哀楽の『喜』。柔らかい笑顔の慶の写真。何を見ているのかずっと気になっていた。

「何って……」 
 慶は目をパシパシさせながらおれを見上げると、 

「それ、本気で聞いてんのか? それとも言わせたいだけ?」
「……え? わっ」

 聞き返すよりも早く、慶が「えいっ」とおれの背中に飛びのってきた。おんぶ、だ。
 伝わってくる温かさ……後ろから耳元に唇を寄せられ囁かれた。

「あんな顔、お前のこと見てたに決まってんだろ」
「………っ」
「おれはお前のことだけ、ずっとずっと見てきたんだからな」
「慶……」
「今までも。これからもだ」

 ぎゅっと抱きついてくれる慶。背中が温かい………。

 怖いくらいの幸せ……

「おれ……慶に出会えてなかったらどうなってたんだろう……」

 思わず出た言葉に自分でもゾッとする。
 慶に出会えていなかったら今もまだあの暗闇の中に……

 深淵に沈みこみそうになったところ、慶に肩をバシバシ叩かれ引き戻される。

「そんなの愚問だ愚問」
「…………」
「おれ達は絶対に出会ってる。おれ達は巡りあう運命なんだからな」
「……慶」

 慶がするするっと背中から下りてきて、おれのことを見上げニッと笑った。

「そうじゃなかったら、こんなに好きになるわけないだろ?」

 慶、慶…………
 なんであなたはこんなに真っ直ぐ、おれなんかのことを見つめてくれるんだろう。体中温かいものに包まれていく……

「慶……大好き」

 抱き寄せて、その愛しい唇に………

 と思ったのに。

「痛っ」
 顎に頭突きされた! 本気で痛いっ!

「もー慶!」
「こんな住宅街の道ばたで何しようとしてんだお前」
「えー………」

 顎をさすりながら、ぶーっとする。

「ケチ。誰もいないじゃん」
「窓から外見てる人とかいるかもしんねえだろっ」

 慶が赤くなりながら小さく言って怒っている。その耳元に呪文のようにささやいてやる。

「キスしたい。キスしたい。キスしたい。キ………」
「うるせえっ」

 普通に蹴られた……。

「もー慶が……とと?」
 文句をいいかけたけたところを、腕をつかまれ、ずんずん引きずられるように歩かさせられる。でも家に向かう角を通りすぎてしまった。

「けいー? ここ曲がるんじゃ……」
「いいんだよっ」

 そのまま曲がらず連れて行かれたのは……昨日キスした川べりだ。

 と、いうことは………

「慶………いいの?」
「…………」

 慶、真っ赤になって、言い訳するようにボソッと言った。

「食べ過ぎたから、ちょっと休憩してから帰る。お前も付き合え」
「…………」

 真っ赤。本当に真っ赤。か、かわいい……

「いいだろ?」
「もちろん!」

 二人並んで土手を下りていく。
 この土手にも何度もきた。悔しくて泣いたことも、嬉しくて笑ったことも、すべてが慶との思い出だ。

「慶……大好きだよ」
「ん」

 そっと唇を合わせる。

「これからも……ずっと一緒にいてくれる?」

 頬を囲み、おでこをコツンとすると、慶がふわりと笑ってくれた。

「当たり前だろ。おれ達はずっと一緒にいる」
「……うん」

 巡りあう運命……
 おれ達は出えた。そして、今、一緒にいる。

 慶……大好きな慶。

 おれ……頑張るから。慶の隣にいるのに相応しい男になるから。

 だから、いつまでも一緒にいて。
 それだけがおれの願い。




<完>


-------------------


お読みくださりありがとうございました!
なんだかまったりした回ですみません。
山あり谷ありありましたが、慶と浩介、無事に両想いになりました。
そしてこの『巡合』編を経て、浩介は少しだけ自分に自信が持てるようになりました。

次回から、お正月以降~高校二年生の終わりまでのお話『風のゆくえには~将来』をお送りいたします。
『将来』の名の通り、2人の今後のこととか、進路のこととか、あいかわらず何も大事件の起きない普通のお話です……
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

そしてクリックしてくださった方、本当にありがとうございます!おかげさまで無事に『巡合』最終回までたどり着くことができました。もう後は安心してラブラブさせてあげられます。
もしよろしければ今後ともよろしくお願いいたします。ご新規の方もどうぞよろしくお願いいたします!

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