きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

25年前の春21年目の桜

2011-04-02 22:00:42 | 徒然に2010-2013
いぬのはかまいりで越える峠道は、桜の名所として有名である。市街は3分咲きぐらいだと家人が言っていたが、ここはほとんど咲いていなかった。3月に入ってからも朝晩日中と気温がなかなか上がらなかったからかもしれない。

それでも花は少しずつ色を増している感じがする。
送別会と夜中に出る咳とで睡眠不足が続く。それでもとりあえず出かける。日が射している間は暖かいが、雲が多くなると気温が下がる。

風邪を引きずったままの身体で歩み(走り?)を進め、機々を眺めていると、
「ムサシノノハルトオシサイキヲキス」が浮かぶ。
25年前に受け取った電報である。「武蔵野の春遠し再起を期す」といったところだろうか。
突然浮かんだのは恐らく、先日の送別会での話でも反芻していたからだろうか。
今はどうだか知らないが、昔は遠方からの受験生のために学生が合否連絡を電報で知らせてくれた。儂は、田舎から東京の大学を受け、この電報を受け取った。

東京の大学を出てから、県庁所在地の街に就職し、車でこの道を通って田舎に帰る機会があった。
まるで初めて見たかのような桜の樹々に感動すら覚えた。

それから今年は21年目になる。
21年目の桜はまだ咲いていない。
でもまあ、25年前の春も来なかったわけではない。遠かっただけ。
自分は、しっかりと少しずつ走っていこう、と思った。

一つ二つと可憐に咲く桜の如く。


「武蔵野の春遠し」から25年になる。なんとかやってる自分がいる。