2月の末、祖父の33回忌法要に臨む。そうか高校生の時だった。近年体調が悪かったオヤジも、昨年からなんだかんだいいながら酒を断ち、祖父の歳に近付いている。
実家に立ち寄り、オヤジとオカンを乗せ、国道から細い道を迷いそうになりながらお寺に着く。
いつも思うが、景色のいいところである。
気温が高めだが、山のすぐ傍にあるこのお寺は中に入ると昨日の冷気がそのまま残っていた。
お坊さんの説話を挟んで約一時間、電子書籍でも見たお坊さんのフリーペーパーの表紙にも乗っているそのお坊さんは、話は拙いが一生懸命さの伝わる話しぶりである。
家人の引っ越し予定と被らなければ、来てみようかなと思ったり。
卒塔婆が4尺から5尺になったと聞き、オカンが追加で何とか料を納める。いやいやこちらが勝手に・・・とお坊さんは言うが、最終的には受け取る。法要の費用は、言い値で相場はあってない、否ないようであるのか、いずれにしても、この歳になっても全然見通しの利かない世界である。いくらかのことを教えてもらうが、車に乗るともう忘れる。
こういうの基本、口頭伝承だから、特に弔事はさっぱり分からん。何もかも声小さめで伝えようとするので余計に。
お寺を出てお墓に行く車中、そういえば金婚式だわなとオカンに話を振る。
でも、なんぞいなげなもんもろうてもありがたみないし、やろ。
思い出したような振りをして車の中で話しかける。オヤジは当然黙っている。難聴の進行はかなりのもんだろう。
難聴と痴呆、というテーマの講演をつい先日の補聴器セミナーで聞いたばかりである。オカンはもう十年近く前から補聴器をしている。オヤジはずっと拒否している。まあ、その話がベースになったのかどうかは分からないが。
ここから先は思い出したような振りではなく、本当の思いつきである。
お墓に着く。4尺から5尺になった卒塔婆が強い風にあおられて倒れる。オヤジが直す。お墓参りを終える。次は祖母の33回忌らしい。
頭の中であれこれ段取りを考えながら家路についた。
実家に立ち寄り、オヤジとオカンを乗せ、国道から細い道を迷いそうになりながらお寺に着く。
いつも思うが、景色のいいところである。
気温が高めだが、山のすぐ傍にあるこのお寺は中に入ると昨日の冷気がそのまま残っていた。
お坊さんの説話を挟んで約一時間、電子書籍でも見たお坊さんのフリーペーパーの表紙にも乗っているそのお坊さんは、話は拙いが一生懸命さの伝わる話しぶりである。
家人の引っ越し予定と被らなければ、来てみようかなと思ったり。
卒塔婆が4尺から5尺になったと聞き、オカンが追加で何とか料を納める。いやいやこちらが勝手に・・・とお坊さんは言うが、最終的には受け取る。法要の費用は、言い値で相場はあってない、否ないようであるのか、いずれにしても、この歳になっても全然見通しの利かない世界である。いくらかのことを教えてもらうが、車に乗るともう忘れる。
こういうの基本、口頭伝承だから、特に弔事はさっぱり分からん。何もかも声小さめで伝えようとするので余計に。
お寺を出てお墓に行く車中、そういえば金婚式だわなとオカンに話を振る。
でも、なんぞいなげなもんもろうてもありがたみないし、やろ。
思い出したような振りをして車の中で話しかける。オヤジは当然黙っている。難聴の進行はかなりのもんだろう。
難聴と痴呆、というテーマの講演をつい先日の補聴器セミナーで聞いたばかりである。オカンはもう十年近く前から補聴器をしている。オヤジはずっと拒否している。まあ、その話がベースになったのかどうかは分からないが。
ここから先は思い出したような振りではなく、本当の思いつきである。
お墓に着く。4尺から5尺になった卒塔婆が強い風にあおられて倒れる。オヤジが直す。お墓参りを終える。次は祖母の33回忌らしい。
頭の中であれこれ段取りを考えながら家路についた。