④知覚障害
【要約】脊損になると、体性感覚という表在感覚(皮膚知覚)と、深部感覚(骨や関節、時に筋肉や筋など体内で感じる知覚)と、内臓感覚(臓器感覚)が影響される。
【一言】表在感覚では、入院直後から乳突から下全部にドライアイスを当てられたような異常感覚がしばらく続いたこと、深部感覚では、現在も続く右脇から肩甲骨下にかけての「筋肉の」痒み、トイレの便座に座ったときの不安定感など、内臓感覚では、排泄排尿の不完全知覚(出そうで出ない、知らずに出てしまう)などがある。また、「湯飲みなどを車いす座面上の股の間に挟んで(運ぼうとして)火傷する」、「炊事場や洗面台で熱湯排水で火傷する」、「風呂場でシャワーや蛇口からの熱湯を洗い場に流して脚やでん部を火傷する」例が挙げられているが、すべて経験がある。
⑤尿路障害
【要約】脊損になると最初はすべて尿閉となり、尿を排泄できなくなるため、腎後性腎不全となる危険性が生じ、放置すると生命が危険な状態になる。留置式カテーテルや間欠的導尿により尿の排泄を確保する。排尿を司る中枢であるS2~3より高位で損傷した場合は「核上型神経因性膀胱」になり、膀胱に尿がたまるとそれが刺激になって膀胱が反射性の排尿を行うが、膀胱の収縮と括約筋の弛緩の連携がうまく機能しないために、尿で充満した膀胱内の圧力が高くなり、膀胱の変形や腎障害等を引き起こすため、自己導尿が必要。膀胱の収縮を抑える薬(抗コリン薬)を用いることで尿漏れや失禁の改善が得られることがある。
【一言】尿閉は救急で運ばれた時の状態。あの時は1リットル近く出たと救急病院の看護師が言っていた。自己導尿の管理はさほど難しくはないが、現時点ではいつもカテーテルを入れて排尿しているわけではなく、お腹を押さえて出している。こちらの方がエネルギーが要るしこれでいいのかどうかよくわからないのが不安な点。
「みんなのトイレ」も別に構わないが、儂なんかはここしか入れない。せめて「みんなのトイレ」を作るなら「車椅子専用」もというのが正直な想い。
⑥腸管障害
【要約】腸管も初期はマヒしてガスがたまるマヒ性の腸閉塞状態になり、水分吸収機能が低下して下痢便傾向になり、その後は便秘傾向になる。高位胸損は自律神経過反射で腸管が興奮(緊張)状態になって、便秘より重篤の滞留便になりやすいので、できれば毎日、少なくとも三日以内の排便習慣が必要。そのために、a食事(繊維質の摂取)への注意(但し、糸こんにゃく、根昆布、出汁取り後の板昆布は腸内で滞留しやすく摘便でも排出しにくいので避ける)、b姿勢への意識(T8より高位の胸損者・頚損は、マヒで腹背筋が脱力して座り姿が「すべり姿勢」になり、結果、腹筋がゆるんだ「脊損腹(ぽっこりお腹)」に。腰部を支えて背筋を伸ばした姿勢が腸の動きを良くするので、意識的に背筋を伸ばすことが必要)、c抗生物質の影響(抗菌剤や抗生物質の服用で、腸内常在の有用菌の減少や、常在菌以外の細菌増殖により排便に影響する)に留意する。いずれにしても、脊髄損傷によって自然な排便は期待できないので、緩下剤、発泡座薬、浣腸、洗腸などを利用したり、摘便が必要になったりする。特に、胸・腰損は自分に合った摘便の方法を身につけなければならない。また、これらの排便方法によって直腸の変形・変質を引き起こしたり、痔など肛門周辺を傷めたりすることがあるが、便をため込まないことや、排便時に無理をしない自分に合った方法を見つけて慣れるしかない。
【一言】全国脊髄損傷者協会編のガイドブック全11巻の1巻目は「排泄管理」だから、これはもう、一番これが大きな課題というか、QOLを左右するスキルになるのではないかと。初期については下痢はなかったような気がする。高位胸損が、便秘よりたちが悪い滞留便になりやすいという事実に驚く。「脊損腹」も初耳。運動不足だけが原因ではないことに、気分的には安堵する。風邪薬飲んだらお腹が緩くなる経験はした。「脊髄損傷によって自然な排便は期待できない」から「排便時に無理をしない自分に合った方法を見つけて慣れるしかない」のだったら入院中にちゃんと教えてくれ、と。自然な排便をしなければならないように言い続けた看護師の責任は重いと思うが、まあ知らなかったんだろうなあ、と。また、摘便というのはタブーだと思っていたが、むしろ「しなければならない」スキルなのだ、と。慣れるしかない、という言い切りに、逆に安心したのは事実。
⑦自律神経機能障害
【要約】受傷によって、感覚、運動だけではなく脊髄に平行して密接に連携している自律神経系も同時に影響を受け、機能低下する。結果、マヒ域では新陳代謝が不活発となるため、傷が治りにくくなる。また、a自律神経過反射、b体温調節機能障害、c末梢血管拡張症、d起立性調節障害、e性機能への影響などの様々な症状が出る。
【一言】傷が治りにくい、ということ、その理由が神経系にあることは知らなかった。a、dは高位胸損にみられるらしいが、これは今のところない。bについては、機能低下があるとのことだが、もともと弱い上に余計に、という感じ。また、頚損は全く汗をかかなくなるが、高位胸損は肩や頭部の汗は出る。儂の場合、顔からの寝汗がひどくなった。また、同じ高位胸損にある欝熱状態や頻脈はまだ経験はない。cも頚損や高位胸損に見られるが、これにより、起立性を含む低血圧、頭痛、めまい、動悸、顔面紅潮、下肢の浮腫(深部静脈血栓症でも起こる)などが生じるらしいが、下肢の浮腫みは、運動不足由来ではなく、自律神経系由来ということが分かる。やはり弾性ストッキングは必要か。eについては自身もろに影響しているが、バイアグラが有効というのは初耳(保険がきかないのがネック)。
【要約】脊損になると、体性感覚という表在感覚(皮膚知覚)と、深部感覚(骨や関節、時に筋肉や筋など体内で感じる知覚)と、内臓感覚(臓器感覚)が影響される。
【一言】表在感覚では、入院直後から乳突から下全部にドライアイスを当てられたような異常感覚がしばらく続いたこと、深部感覚では、現在も続く右脇から肩甲骨下にかけての「筋肉の」痒み、トイレの便座に座ったときの不安定感など、内臓感覚では、排泄排尿の不完全知覚(出そうで出ない、知らずに出てしまう)などがある。また、「湯飲みなどを車いす座面上の股の間に挟んで(運ぼうとして)火傷する」、「炊事場や洗面台で熱湯排水で火傷する」、「風呂場でシャワーや蛇口からの熱湯を洗い場に流して脚やでん部を火傷する」例が挙げられているが、すべて経験がある。
⑤尿路障害
【要約】脊損になると最初はすべて尿閉となり、尿を排泄できなくなるため、腎後性腎不全となる危険性が生じ、放置すると生命が危険な状態になる。留置式カテーテルや間欠的導尿により尿の排泄を確保する。排尿を司る中枢であるS2~3より高位で損傷した場合は「核上型神経因性膀胱」になり、膀胱に尿がたまるとそれが刺激になって膀胱が反射性の排尿を行うが、膀胱の収縮と括約筋の弛緩の連携がうまく機能しないために、尿で充満した膀胱内の圧力が高くなり、膀胱の変形や腎障害等を引き起こすため、自己導尿が必要。膀胱の収縮を抑える薬(抗コリン薬)を用いることで尿漏れや失禁の改善が得られることがある。
【一言】尿閉は救急で運ばれた時の状態。あの時は1リットル近く出たと救急病院の看護師が言っていた。自己導尿の管理はさほど難しくはないが、現時点ではいつもカテーテルを入れて排尿しているわけではなく、お腹を押さえて出している。こちらの方がエネルギーが要るしこれでいいのかどうかよくわからないのが不安な点。
「みんなのトイレ」も別に構わないが、儂なんかはここしか入れない。せめて「みんなのトイレ」を作るなら「車椅子専用」もというのが正直な想い。
⑥腸管障害
【要約】腸管も初期はマヒしてガスがたまるマヒ性の腸閉塞状態になり、水分吸収機能が低下して下痢便傾向になり、その後は便秘傾向になる。高位胸損は自律神経過反射で腸管が興奮(緊張)状態になって、便秘より重篤の滞留便になりやすいので、できれば毎日、少なくとも三日以内の排便習慣が必要。そのために、a食事(繊維質の摂取)への注意(但し、糸こんにゃく、根昆布、出汁取り後の板昆布は腸内で滞留しやすく摘便でも排出しにくいので避ける)、b姿勢への意識(T8より高位の胸損者・頚損は、マヒで腹背筋が脱力して座り姿が「すべり姿勢」になり、結果、腹筋がゆるんだ「脊損腹(ぽっこりお腹)」に。腰部を支えて背筋を伸ばした姿勢が腸の動きを良くするので、意識的に背筋を伸ばすことが必要)、c抗生物質の影響(抗菌剤や抗生物質の服用で、腸内常在の有用菌の減少や、常在菌以外の細菌増殖により排便に影響する)に留意する。いずれにしても、脊髄損傷によって自然な排便は期待できないので、緩下剤、発泡座薬、浣腸、洗腸などを利用したり、摘便が必要になったりする。特に、胸・腰損は自分に合った摘便の方法を身につけなければならない。また、これらの排便方法によって直腸の変形・変質を引き起こしたり、痔など肛門周辺を傷めたりすることがあるが、便をため込まないことや、排便時に無理をしない自分に合った方法を見つけて慣れるしかない。
【一言】全国脊髄損傷者協会編のガイドブック全11巻の1巻目は「排泄管理」だから、これはもう、一番これが大きな課題というか、QOLを左右するスキルになるのではないかと。初期については下痢はなかったような気がする。高位胸損が、便秘よりたちが悪い滞留便になりやすいという事実に驚く。「脊損腹」も初耳。運動不足だけが原因ではないことに、気分的には安堵する。風邪薬飲んだらお腹が緩くなる経験はした。「脊髄損傷によって自然な排便は期待できない」から「排便時に無理をしない自分に合った方法を見つけて慣れるしかない」のだったら入院中にちゃんと教えてくれ、と。自然な排便をしなければならないように言い続けた看護師の責任は重いと思うが、まあ知らなかったんだろうなあ、と。また、摘便というのはタブーだと思っていたが、むしろ「しなければならない」スキルなのだ、と。慣れるしかない、という言い切りに、逆に安心したのは事実。
⑦自律神経機能障害
【要約】受傷によって、感覚、運動だけではなく脊髄に平行して密接に連携している自律神経系も同時に影響を受け、機能低下する。結果、マヒ域では新陳代謝が不活発となるため、傷が治りにくくなる。また、a自律神経過反射、b体温調節機能障害、c末梢血管拡張症、d起立性調節障害、e性機能への影響などの様々な症状が出る。
【一言】傷が治りにくい、ということ、その理由が神経系にあることは知らなかった。a、dは高位胸損にみられるらしいが、これは今のところない。bについては、機能低下があるとのことだが、もともと弱い上に余計に、という感じ。また、頚損は全く汗をかかなくなるが、高位胸損は肩や頭部の汗は出る。儂の場合、顔からの寝汗がひどくなった。また、同じ高位胸損にある欝熱状態や頻脈はまだ経験はない。cも頚損や高位胸損に見られるが、これにより、起立性を含む低血圧、頭痛、めまい、動悸、顔面紅潮、下肢の浮腫(深部静脈血栓症でも起こる)などが生じるらしいが、下肢の浮腫みは、運動不足由来ではなく、自律神経系由来ということが分かる。やはり弾性ストッキングは必要か。eについては自身もろに影響しているが、バイアグラが有効というのは初耳(保険がきかないのがネック)。