幸田文さんの「きもの帖」(平凡社)は、
きものに関するいい話がいっぱいなのですが、
そのなかに、「沢村貞子と幸田文の福分」に続き、
またいい言葉を見つけました。
自分の持っているものを自慢したり、
見せびらかしたりすることだそうで~、
「~自分の持ちものを見せつけて自慢したがる癖
をじかに指さないで、
所有すなわち因果なことで病気のもとだ
とするのが面白い。」(冬のきもの)
似合う、似合わないを考えずに、
とにかく持っているものだから
「もったない」と着てしまう。
「そうなると、持ったが病とは
はっきり乞食を指しているのである」
と幸田さま、なかなかキビシいお言葉です。
ドキッ、これは私のことではないか
きもの狂いをし始めて、
とにかく買い集めた数々。
数だけあっても統一感がないのは、
年齢の割にはきもの歴が短いことに
起因するようです。
つまりあれも着たい、これも着たい
せっかくいいきもの買ったのだからと、
似合いもしないのに着てみる。
そんなことありました、いやあります。
「~~見栄も何もないどん底というのでも、
これが私の着物ですといっていられれば、
それも意気」と幸田センセイ。
「もったいない」、
あるいは
せっかくいいきものを持っているのだから、
と着るのではなく、
似合うから、好きだからと自信を持って着る
どんなきものでも、
自信を持って着れば、
それはそれで意気、
粋は意気に通じることばなのですね。
この「もったが病」、
昨今おなじみの「断捨離」にも通じる。
「自分にとって必要なものを見直すことで、
本当の自分をみつける」?
「過ぎたるは及ばざるがごとし」
古いきものをバッグにしたり、
縫い直したりとなかなか捨てられない
のではありますが、
残り少ない人生、限界はあります。
第四コーナーを回るにつれ、
考え直す時期に来ているのかもしれません。
で、思い切って、捨てましたよお
はい、でも、きもの「以外」のもの、でした
これでまたきものの収納場所、増えた?
応援ありがとうございます。