早くもリフォーム欲が出てきた我が家。
そんなとき見つけたのが
町田康さんの「リフォームの爆発」(幻冬舎)。
「ただならぬ文学的ビフォアアフター」と帯にあります。
図書館で借りようと思ったら、「ただならぬ予約数」
仕方がないので?買いました。
この人の本、読んでいる最中は大笑い、
の面白さなのです。
もう文学的ライブ感いっぱい。
それだけに一回限りと心得て拝読しているのです。
予想にたがわぬ面白さ。
本は、ご本人とおぼしき人物が「犬と猫」という家族、
のためもあって、大幅にリフォーム。
そのリフォームの過程がやたら面白い。
いま流行りのおうち「片づけ論」?やら
「建築論」やら「職人気質」やらを織り交ぜながら、
「ひとつ気になり始めると、
あちらもこちらも気になりはじめる」
永久リフォーム論を提唱。
リフォームには
①夢幻理論
②御の字やんけ理論
③夢幻ポイント因縁理論
この三つがあり、
最初の夢幻理論だけを紹介すると、
マイナスの要素に積極的な意味を
付することによって、
これを乗り越える理論~~。
まあ、一言でいうと、我慢するということですね。
しかし、おうちのことを描くのに、
これほど面白く描けるなんて、
それこそ才能の爆発。
リフォームは「あっちを直せば、
こっちが立たず」で、
永久に続くというのも頷けます。
というか、おうちって、モノ一つの置き場所でも
何か月か住んでみないと、
その最適さ加減ってわからない。
で、これを読んで思い出したのは
はるか昔に読んだ安部公房の「砂の女」
ああ、もう傑作中の傑作。
砂丘に迷い込んだ男が、砂の家に閉じ込められ、
そこに住む女と一緒に毎日毎日砂を掻き出す。
それをしないと、家が砂にうずまり、波及的に
村落全体に被害を及ぼすから、
もうおうちの奴隷状態。
何度かの脱出を試みるも失敗。
ついにあきらめて、砂を掻きだしながら、
砂の研究に取り組み始める、というお話~~。
若いときに読んで、すごい観念・メタファー小説
だと思ったものだけど、この小説って、
単純に「家事小説」だったのね。
家事から逃げる男、
追いかける女~~。
毎日家事をしないと、おうちはめちゃめちゃってわけ。
誰がするの?ってわけ。
おうちって、人がくつろぐためにあるはずだけど、
家をきれいにする、片づける、
それ自体が目的になっていることって
あるような気がする。
家族の一人はくつろぎたいのに、
もう一人は「片づけ」たい。
このせめぎあい。
この相性が悪いと、かつての我が家のように、
「片づけて!」
「あとで!」と
ケンカが絶えない悲惨さを呼ぶのも
おうちの怖さ。
棚を作るために、構造のなかの木材を
調べる「下地探し」の道具を購入。
そんなわけで、シアワセになるためのおうち、
リフォーム、家事、片づけも、
ちょっと間違うと~~。
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