ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

容姿と趣味と思想が一致した幸せー白洲正子のきもの

2013-08-20 18:28:19 | 憧れのきもの女性

中谷さまの流れから、白洲正子さま。

今月の「家庭画報」(世界文化社)には、こんな記事が載っています。

P1060108_4 

「古澤万千子の魅力を紐解くー白洲正子との出会い」

きものを着始めた頃、この方のきもの関係のエッセイを読みました。

お書きになったのは70年代なんですね。

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いささか古いのと、それこそ「信頼する呉服屋さんがある日、すごいきものを持ってきた」とか、まあ、庶民にはほとんど関係ないことが多い。

その上、きものは「きれいなもの」と思いこんでいたから、紬主体の、その着姿も、それほど興味はありませんでした。

「どんな豪華な衣装でも、ぴったり身について、ふだん着のようにみえればしめたもの。それを着こなしというのです」

そうなんだ、と思いながらも、そのときにはなんだかもったないないような気がしましたね(考え方も変わっていくものです)

エッセイはともかく彼女、薩摩藩の武家の家系で、戦後は伯爵家の令嬢、ご主人はイケメン(好み)の、やはりセレブ。

そんな奥様が骨董に目覚め、評論家小林秀雄やらに「ばか」「アホウ」、店を開けば「魅力のない店だな、やめちまえ」など罵倒され「泣きながらも」食らいついていく。

その果てに、「白洲正子」という人間が出来上がったのですね。

面白かったのはこちら。

P8123755

「白洲正子のきもの」(新潮社)

この方、柳宗悦(むねよし)の民芸運動「用の美」(日常使うものが美しい)に感化されてきものを着始めただけあって、木綿やら結城やら大島といった、今でいう趣味のきものを着尽くしている。

琉球絣とかそういったものの価値を高めたのは、柳宗悦氏とこの方の力が大きい。

30年代といえば、銘仙やら柔らかものやらが全盛?。そんな時代に地味な紬を、どこにでも、着ていく強さ。ハイソな階級のなかですから、当然、いろんな軋轢はあったようです。

この本のなかで、娘の桂子さんの話が面白い。

「世間のお嬢様がたが振袖や福良雀の時代に、地味なきものに細帯、結び方も文庫、貝の口以外は許してくれなかった」

こんなババアの着るようなきものは嫌だと思いましたが、今はその良さもわかってきました」

強い母を持つ子どもの苦労?が伝わってきます。

でもこのお嬢様、言いなりになるばかりではなく、

「見てくれで判断していい。妙ななりをしている奴にろくな奴はいない」という母親に、「でも、人にはそれぞれの考え方があり、一方的に批難するのはおかしい」と反論。

「あちら様もあなたを見て、変ななりをしてろくな奴じゃないと言っているよ。

正子さんは「ふん」と鼻先で笑い、どこかに逃げていったそうです。

言いたいことを言い合ってますね

で、正子さんの母親は、典型的な「振袖を着て華族女学校に通っていた」お嬢様。正子さんは「お茶もお香も踊りもお嬢様芸を出ないように見えた遠い存在」と書いています。

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母親に反発して、自分の道を切り開いた娘。そしてその娘はまた、母親をチクリ。

母娘関係、興味あります。

娘の桂子さんが、きものに関して、こんなことを書いています。

「(きものを着ると)バッグが肩にかけられない、車の運転に草履は禁止、帯の結び方によっては椅子によりかかれない、簡単に洗濯できない、そして、人様に自分の好みを押しつけるいやらしい人々に出会う~~」

うーん、耳が痛いです。

きもの好きは、悪い男に惚れてしまった女みたい

欠点を超える魅力、あるんですけどね

でも、正子さま、柔らかもの、似合いそうもないです。その容姿は洋服ならハイファッション、和服はぜったいに紬系。

先の白澤さんのきものにしても、価値は認めても下の写真のようなきものは着ない。右の写真のように、部分的に取り入れて自分らしく着ていらっしゃるようです

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容姿と趣味と考え(思想)が一致したシアワセな方だと思います。

自分を知り尽くした方の、「これが私だ。文句あるか」という自信は、簡単にできるものではないんですね。

この方のきもの姿を見ていると、趣味や考え(思想)に走りがちなきものですが、逆に体型、容姿の重要さを教えられます。

お嬢様ではないこちらはお嬢様芸にも届かず

きものは一日にしてならず。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私は、正直、昔は柔らかものしか興味がなかったの... (和日和)
2013-08-20 20:59:33
私は、正直、昔は柔らかものしか興味がなかったのですが、白洲正子さんとその著書達を知ってから、民芸や紬に興味が出てきました。年令もあるのかもしれませんが(^m^)

お嬢さんが、食事の準備を全てされていたようで「白洲家の食卓」(著書名が正確に思い出せません)で、娘から見たお二人の姿がうかがえて何回も読みました(図書館で)。まだでしたら、写真が多くて重いですが是非。
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和日和さん (紫苑)
2013-08-21 09:27:33
和日和さん
「食卓」読んでみます。すごく興味あります。「年齢があるかもしれませんが」なんて、和日和さん、まだ若いではないですか。それに紬って若い人も好きなのではないの? そうでもない?
返信する
工芸品、民芸品といった人の手の温もりを感じるも... (和日和)
2013-08-21 23:43:10
工芸品、民芸品といった人の手の温もりを感じるものって子供の若いときは「おばあちゃんっぽい」、「ださい」と思っていたんですよねf^_^;

そして、私はアラフォーなので、若い人に入るのかは。。(笑)
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こんにちは♪ (ゴロ)
2013-08-22 07:34:25
こんにちは♪
きれいな色の有松絞り 色白の紫苑さんに良くお似合いでーす。
私も絞りの着物を衿なしお太鼓で着てみたい というのが遠い野望です。まだ これは!っていう絞りに出会ってないんですぅ。
断捨離の情報ありがとうございます。これ良いですね。私はまだ捨てるほどは着物関係は持っていないけど 断捨離はしたいですぅ。^^

長々となって申し訳ないんですけど、こないだの紫苑さんの絹芭蕉の記事を読んで 絹芭蕉の購入を決意しましたっ。ほんとは上布が欲しかったんだけど お値段的に 手が届く方になびきましたぁ。水洗いが出来ると 夏物はさっぱりしていいですよね。洗うつもりでーす。(笑)
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和日和さん (紫苑)
2013-08-22 09:04:44
和日和さん
ほんと、子供の時は家にある民芸品、ダサく見えました。大人になると、あれもったななかったなと。アラフォーなんて、まだまだ若いのよ。今になって考えると、もうこんな年なんて考えてソンしたわ。もっと強気でいけばよかったと。和日和さんも、いろんなことご存じだのだから、年齢なりに強気でいってほしいわ。
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ゴロさん (紫苑)
2013-08-22 09:07:41
ゴロさん
衿なしで着るのは、私今年初めてなんです。やはり大人(?)になると、少し不安ですよ。絹芭蕉買ったのね。拝見しました。明るい色、いいですね。私もまた欲しくなりました。物欲との戦い、断捨離の効果なし?
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