「いま最高潮です」と言われたらご用心のようである。
絶好調だの史上最高の売り上げだのと、隆盛が続くと思えた企業の凋落振りが甚だしい。
およそ企業も人間も同じで、一気に隆盛を極めたものは短期間に没落していく傾向が強いようだ。
創業以来何百年などという商売は派手ではないが、生活に密着したものをコツコツと作り続けたり商い続けたりしていて、伝統文化となっていたり地域のなくてはならない共通の財産になっていたりする。
グローバリズムの対極に位置する、ローカリズムとして根付いている。
何処かに限界があって、再現もなく成長は出来ない筈であることは経済学者でなくとも判る。
空に向かって張られた網を朝顔の蔓は、天辺に達して行き場を無くし虚空を掴むように先端を風に漂わせる。
垂れ下がった蔓の先が、運良く下の方の網にとりつく事が出来たら、その位置からまた上部に向かって絡まって伸びていく。
こうしてみると、人生最悪の時期というのは、残されているのは良い方向に向かう希望だけということになり、むしろ喜ばしいことなのだろうか。
「栄枯盛衰」は大袈裟すぎるから、せめて「得意澹然・失意泰然」は日頃から訓練しておくべきかも知れない。
さて、今日の一句・・・・・「天辺で何を目指すか花の蔓」
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