穏やかな一日だった
子供たちが別れの言葉を交わしている
「じゃあね、またあした」と
彼らには数え切れない明日がある
だから残酷に今日という日を切れるのだろう
家路を急ぐサラリーマンやOL
自販機でぎこちなく煙草を買い、それを咥えて重力に屈したように歩きだす老人
酒と煙草の色したうらぶれた街
西のかなたのオレンジの照明が無理にでも輝かそうとする
しかし照明さんが懸命に照らせば照らすほど
街並みは淋しげに写るのだ
この街の登場人物の苦悩や孤独までもがくっきりと
それでも懲りずにまた明日も照明は変わらぬアングルで同じ場所に光を当てにくる
いつの日か輝く奇跡を求めて
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