ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

パニック障害で異性と付き合うということ

2017-02-11 20:47:08 | 闘病
「僕とパニック障害の20年戦争」を出版して8年。ここに恋愛を記したとしたら、クリスマス前に別れた女性の事だと思うんです。18歳でパニック障害になって以降、クリスマスに彼女がいたことはないです。ただ、バレンタインに本命チョコを貰った事はあります。

一口にパニック障害といっても、症状の重さの違いがあり、また男女の違いもあります。自分の場合は男であり、症状が重かった。この状態で女性と付き合うというのは困難でした。

チョコをくれた彼女との記憶。例えば、彼女とハンバーガーショップに入ります。僕は2つほど頼んだのですが、半分ぐらい食べた頃、急に吐き気を催し、食べる手が止まってしまいました。また、外食の時、椅子に腰掛けるより、和室で畳に座って食べるほうが調子が良かったので、金もないのに、彼女を寿司屋に連れて行きました。ここは、まずまず上手くいったんです。

その矢先、彼女に「レストランで食事したい」と言われ、嫌な予感がしたので「そのうち」と先延ばしにしていました。しかし、いつまでもごまかしは通じません。意を決して洋食屋に入ったのですが、ここで動悸が激しくなり、まともに食事が出来ませんでした。肉料理を食べながら、僕を気にしている彼女の目が、いまだに記憶から消せないでいます。そして「ディズニーランドへ行きたい」などと言われた時には、残念だけど別れるしかありませんでした。外へ出ているだけでも辛い状態な訳ですから。この恋も桜が咲く頃には、終わってしまいました。

18歳から20代の時は、早く年を取りたい、今すぐ老人になりたいと思っていました。パニック障害は治らなくても、友人関係や男女関係での悩みは消えると考えていたんです。しかし実際に中年になり、いまも孤独感があり、また、ほとんどの人が通ってきた全うな青春がない寂しさを感じます。僕は経営している個人店でラジオを流しているんですが、リスナーの月並みな青春を耳にするたびに、気持ちが沈みます。

運悪くパニック障害になってしまって、自分のような思いをしないためには、まず早めに病院へ行く事だと思います。僕がパニック障害を発症した1990年前後は、まだ精神科への敷居が高く、パニック障害という病名を、本人すら知りませんでした。そういう意味では、今の時代は、かなり環境的に整備されていると思います。症状が軽い場合は別として、ある程度、重い場合、病気が原因で大学なら中退、会社なら退職を考える状態なら、病院へ行って、適切な治療を受けるのが最善と考えます。僕は病院へ行くまで14年かかってしまいました。
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