ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

あれから6年が過ぎ

2017-03-14 21:56:23 | 
計画停電の暗闇の中、僕は何を考えていたのだろう

速いのか、遅いのか

あれから6年が過ぎた

今年もまた千切られていく映像が流れている



激しい揺れと津波が家族を引き裂く

「私はもういい」

逃げ遅れ、取り残された年老いた母は

家族に先に逃げるよう促し、死を選んだ



最後まで住民に避難を呼びかけ

命を落とした若い女性もいた



「もう無茶苦茶、あんたもやってみりゃ分かるって」

現場から立ち去った自衛隊員がつぶやいた



メルトダウン

ミリシーベルト

避難所暮らし

仮設住宅

風評被害

震災関連死



3月11日を迎えるたびに、マスコミはこぞってあの震災を報道し

その日を過ぎると波が引いたように、消えていく

波が引いた砂浜に、浮かび上がる置いてきぼりの孤独、苦悩、疲労、怒り、諦め



「俺はドライブが好きだから、時々こっちに出てくるんだけど、車はいたずらされ、罵声を浴びるんだよ。ほら、福島ナンバーだから。福島といっても栃木との県境だから、原発とは随分、離れた場所なんだけどね」

震災から6年後、ある青年はボソッと言った。






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