ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

竜王戦最終局 広瀬新竜王誕生、羽生無冠

2018-12-22 19:16:56 | 将棋
竜王戦第7局は広瀬章人八段が羽生竜王を167手で下し、4勝3敗で竜王位を奪取しました。勝てばタイトル100期という大きな節目だった羽生竜王は27年ぶりに無冠になります。

第7局は振り駒の結果、広瀬さんの先手となりました。決戦の場は下関。源平合戦終幕の地。敗者は海に沈む両者一歩も引けない大一番。今期の竜王戦全体の流れ通り、羽生さんの深い研究に広瀬さんが対応していく展開に。際どい中盤の捻じり合いの末、広瀬さんが優勢となり、最後まで粘る羽生さんを振り切り激闘は幕を閉じました。広瀬さんは8年ぶり2度目のタイトル獲得です。

それにしても広瀬さんはよく勝ったと思いますね。棋士レーティングという実力指標がありますが、広瀬さんは1位、羽生さんは7位ぐらいなので、機械的な見方をすれば、広瀬さんが勝つのはむしろ自然なのですが、やはりそんな簡単なものではありませんでした。竜王戦を記すにあたり、羽生さんに何度も執念という言葉を使い表現してきましたが、それが最終局ではわかりやすく盤上に表れていました。

羽生さんが最後まで投了しなかったことには賛否両論あるでしょう。「よく粘った」とか「棋譜が汚れる」とか。しかし、勝利を最後まであきらめない姿勢こそが羽生さん最大の武器といっても過言ではありません。広瀬さんは久しぶりのタイトルがかかっていることもあり、プレッシャーは大きいはずですから、羽生さんの土俵を割らないしぶとさを嫌というほど感じたでしょうね。それを乗り越えてのタイトル奪取は見事としか言いようがありません。

平成最後の年末に平成を代表する棋士が敗れ、無冠になるという将棋界にとって大きな節目の竜王戦でした。新しい時代の幕開けとなるのか?羽生の逆襲はあるのか?どのタイミングで藤井聡太が覇権争いに参戦してくるのか?興味は尽きません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする