募る思いを打ち明けた
大きく頷いてくれた
初めて握る左手は
あたしよりも震えていた
恥ずかしがり屋の貴方は
いつもやたらと早足で
スキがあればじゃれつこうと
たくらむあたし悩ませた
「運命の人よ」「白馬の王子様よ」
貴方はまた照れて聞き流すけど
カンジンなことは ちゃんと伝えて欲しいんだ
どうしようもないくらいに好きだから
ゆっくりとゆっくりと あたしを抱きしめて
微笑む貴方の鼓動はリズム
好きだよ大好きだよ 何時までも一緒
恋する貴方には あたしだけなの
作詞は水野良樹。いきものがかりのほとんどの曲は水野さんが作っている事は知っていましたが、この曲の歌詞はボーカルの吉岡聖恵が書いたのではないかと思っていました。ところが調べてみると水野さんでした。
「募る思いを打ち明けた。大きく頷いてくれた」
随分とラッキーボーイだと思うんですよ。女の子から告白されて、大きく頷いているだけですから。ただ、少し過ぎましたが、バレンタインデーだったとの仮説を立てると、しっくりくるような気がします。
「恥ずかしがり屋の貴方は、いつもやたらと早足で」
大抵、少年は少女に対してシャイです。
「運命の人よ、白馬の王子様よ」
これは随分、大きな表現で、からかわれているのでは、と疑ってしまいます。ただ、その後「カンジンなことは、ちゃんと伝えて欲しいんだ」との要求。これは男子としては伝えなきゃいけない。
「すきだよ、大好きだよ、何時までも一緒。恋する貴方には、あたしだけなの」
本当にストレートですね。この乙女心を水野さんが見事に書き上げました。
水野さんは吉岡さんを輝かす魔法を使えるのだと思います。
いきものがかりが世の中に知られて15年以上が経ちました。彼らの曲には青春の匂いがしていた。そして時は流れ、メンバーも中年に差し掛かりました。
現在、水野さんは幅広い世代、ジャンルのアーティストに楽曲を提供しています。彼の才能ならば引く手あまたでしょう。
上白石萌音の「夜明けをくちずさめたら」は、水野さんらしい曲調で、上白石さんの歌唱力も手伝って、素晴らしい出来に仕上がっています。
ただ、水野さんは吉岡聖恵を輝かす魔法を持っている。大人の吉岡さんの新たな魅力を引き出してもらいたいです。