王将戦第5局は、藤井聡太王将が羽生善治九段を制し、3勝2敗として初防衛に王手をかけました。
それにしても激戦でした。1日目が終了した局面は、藤井やや指しやすいかに見えました。事実、藤井王将はその後も厳しい攻めを継続し、羽生九段との差を広げていきました。
しかし、次第に羽生九段の老練な指し回しに翻弄されたのか、藤井王将の指し手に狂いが生じ、最終盤で羽生九段が藤井陣奥深くに放った飛車打ちで、9割方、羽生勝ちに見えました。実際には羽生九段が優勢とはいえ、まだ難しかったようです。羽生さんも確信を持っている訳ではなかった。
今度は羽生九段が迷った末、守りの手を指したのが良くなかったようで、最後の最後で藤井勝ちになりました。
終局後、藤井王将は腕の力でようやく立ち上がったそうです。疲労困憊。それほどの激戦でした。羽生さんは藤井君に勝負の厳しさを教えていますね。藤井君もこの経験を力に変えて欲しい。
第6局が大一番になります。羽生九段が先手なので、藤井王将が時間を使う苦しい将棋になると思います。しかし、藤井王将がこの将棋をものにできず、最終局までもつれると、このシリーズの充実度からいって、羽生九段が有利と見ます。