ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井、名人戦デビューを白星で飾る

2023-04-07 11:45:02 | 将棋

夢で見たあの場所に立つ日まで。ついに藤井聡太は名人戦の大舞台に立った。相手は渡辺明名人。これまでのタイトル戦では藤井が渡辺を圧倒してきた。

しかし、名人戦は別格である。渡辺もこれまでとは違う戦いを見せるはずだ。藤井には谷川浩司十七世名人が持つ最年少名人の記録もかかる。 

 

立ち上がりは見慣れた景色だった。互いに飛車先を突き、先手の渡辺が角道を開けた。角換わり(角を交換する戦型)になると誰もが思った。

しかし、渡辺は歩を上げて角道を閉じ、力戦調の重たい将棋になった。角換わりとは一転、スローペースになり、43手目を渡辺が封じ、1日目が終わった。AI的にも互角。本格的な戦いはこれからの局面。違いがあるとすれば渡辺玉が2マス左へ動いたのに対し、藤井玉は一歩も動いていない。いわゆる居玉。藤井は終盤、渡辺が銀を打ち込み、王手をかけた局面で初めて玉を動かした。2日目の夜である。「居玉は避けよ」は将棋の常識だが、藤井の将棋は比較的、居玉が多い。よほどバランス感覚が優れているのだろう。

 

難解な局面が終盤まで続いたが、最後は藤井が曲芸のような手順で抜け出し、渡辺を投了に追い込んだ。決して渡辺が弱い訳ではない。他の相手であれば、おそらく勝っていただろう。藤井が強すぎるのだ。

 

まだ初戦が終わっただけなのだが、次の第2局は渡辺にとっては正念場だ。藤井が勝てば2連勝となり、名人奪取の確率は8割を超えるだろう。しかし、渡辺がこのままあっさり引き下がるとも思えない。勝負強さは天下一品だ。

藤井が大名人への一歩を踏み出すのか、それとも渡辺が永世名人への望みをつなぐか。結論はまだ先である。

 

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