波音で消されちゃった
はっきりと聞かせろって
わざとらしい海原
100回以上の失敗は
ダーウィンさんも感涙の
ユニークな進化の礎
あの日のことは忘れないよ
しずくの小惑星の真ん中で
流れるまんま流されたら
抗おうか美しい鰭で
壊れる夜もあったけれど
自分でいられるように
作詞・作曲は草野マサムネ。スピッツの新曲です。人気アニメの劇場版の主題歌なので、当然、草野さんも作品に合わせ作っているはずです。しかし、ここではそれを切り離して歌詞を見ていきます。
「波音で消されちゃった~わざとらしい海原」
わざとらしい海原という表現から人為的に邪魔させたと捉えます。主人公にとっては大切なことを聞き取れなかった。
「100回以上の失敗は~」
ここでダーウィンさんという偉人が登場です。多くの失敗から本人も想像もつかない進化があったのでしょう。
「あの日のことは忘れないよ、しずくの小惑星の真ん中で」
強い決意を感じます。あとは雫と小惑星をどう解釈するかですね。草野さんはリリースしたら「想像にお任せします」というスタイルなので、100人いたら100通りの受け取り方があるのだと思います。僕は雫は涙、小惑星は心をイメージします。
「流れるまんま流されたら」何に流されたのか?社会や権力、多数派といったものが浮かびます。それに対して「抗おうか美しい鰭で」
美しい鰭でバランスを取りながら大きな力に流されない決意。
「壊れる夜もあったけれど、自分でいられるように」
どうでもいいやと自暴自棄になった時もあった。しかし、それは自分を殺すこと。だからこそ抗う。美しい鰭で。自分でいられるように。「美しい」と歌う草野さんのファルセットも美しい。
草野さんは自分の歌唱力に対してネガティブな発言が多いのですが、曲に忠実に声を合わせていくタイプで、いわゆる歌い上げたり、音程を崩したりはしません。そこは人によって好き好きが別れるところです。
ただ、草野さんの全体的には高音で透き通っていて、少し霞がかった声には青春の面影があり、僕は好きです。「自分より上手く曲を表現できる人がいたら、ボーカルを譲ってもいい」などと言わず(笑)、スピッツファンとしては声が出る限り、歌い続けてもらいたいです。
」