藤井聡太叡王の先勝で幕を開けた叡王戦第2局は、挑戦者の菅井竜也八段が藤井叡王を115手で下し、1勝1敗のタイとしました。
菅井八段は振り飛車党ナンバーワンの実力者。藤井叡王にとってタイトル戦では初めての居飛車対振り飛車(飛車を真ん中から左に動かす)の対抗形になります。
そして叡王戦は藤井叡王にとって八つのタイトル戦の中でも最も鬼門と思われます。
持ち時間が4時間と少なく、他にも4時間のタイトル戦はあるのですが、ストップウォッチ方式で1分以内に指せば時間は減りません。しかし、叡王戦はチェスクロック方式で、10秒考えれば10秒持ち時間が減ります。よってタイトル戦としては最も持ち時間が少ないのです。長考派の藤井叡王にとっては苦手なタイトル戦と思われます。
昨日も、まだ中盤の難所で時間を使いきり1分将棋に。その後は菅井八段が着実に差を広げ、快勝しました。早い段階で機敏に仕掛け、藤井叡王に穴熊を完全に組ませる余裕を与えなかった菅井八段の抜群の将棋センスが光った一局でした。
いいところなく敗れた藤井叡王。やはり時間を残せるかどうかが、防衛できるかのカギになります。叡王戦は五番勝負なので、1勝1敗から改めて三番勝負となります。