冬に覚えた歌を忘れた
ストーブの中 残った石油
ツララのように尖って光る
やがて溶けてく激情のカス
音楽室のピアノでブギー
ジェリー・リースタイル
骨身をさらけ出したその後で
散文的に笑う
心のないやさしさは
敗北に似てる
混沌と混乱と狂熱が
俺と一緒に行く
作詞・作曲は真島昌利。ブルーハーツの熱狂から10年程あとの曲。
冒頭の「冬に覚えた歌を忘れた~やがて溶けてく激情のカス」
この部分で青春の形を表現しているように感じます。
「ツララのように尖って光る。やがて溶けてく激情のカス」
ここ、ブルーハーツっぽいですね。
甲本ヒロトはある人たちから見れば、カスであり、ドブネズミだったかもしれない。
ただ当時10代だった僕から見ると甲本さんはカリスマでした。トリッキーなスタイルでいてメッセージは強く伝わりました。
甲本さんの輝かせ方を最も知り尽くしているのが真島さんで、この曲もその流れで作られている気がします。
「音楽室のピアノでブギー。ジェリー・リースタイル。骨身をさらけ出したその後で散文的に笑う」
ブルーハーツにしてもハイロウズにしても意味を理解するより、感じることの方が大事なのだと思います。
ただ「散文的に笑う」というのはネガティブで心から笑っていない。
「心のないやさしさは敗北に似てる」
そんな気がします。僕は負けっぱなしです。
「混沌と混乱と狂熱が俺と一緒に行く」
これもある青春の形を見事に表現しているように思います。これを甲本さんが歌って届ける訳ですから、格好良くはなりますね。