ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井、叡王防衛 そして藤井荘へ

2023-05-29 12:31:52 | 将棋

昨日、藤井聡太叡王が挑戦者の菅井竜也八段を2度の千日手指し直しの末、下しました。これで3勝1敗となり叡王3連覇を果たしました。

 

それにしても両対局者にとって長い一日でした。同一局面が4回繰り返される千日手になると先手、後手を入れかえて指し直しとなります。千日手が2回続いたので、3局目にしてようやく決着がつきました。

 

勝負の分かれ目は2局目で、互いに穴熊に組みながら、柔軟性に優れ、また相穴熊の経験値に勝る菅井八段が中盤ではややリードを奪いました。ボクシングで言えば、菅井さんの足を使った巧みな攻撃に藤井さんがやや振り回される展開になりましたが、終盤で藤井さんがクリンチし千日手指し直しに持ち込めたことが、最終的に勝利をものに出来た大きな要因です。 

決着局でAIも気づいていなかった、飛車を切り、相手玉を即詰みに討ち取ったのはいかにも藤井さんらしい。

 

藤井竜王にとってはタイトル戦では初めての対抗形(藤井は居飛車、菅井は飛車を左に移動させる振り飛車)で苦しみながら叡王を防衛できたことは貴重な経験になりました。

菅井さんは昔気質の勝負師で、藤井さんのデビュー当時からやや厳しい言葉を浴びせていました。終局直後、記者に藤井竜王の印象を尋ねられると、やや考えた末に「将棋に真っ直ぐな人」と答えました。最高の誉め言葉ではないでしょうか。

 

藤井竜王は六冠を保持し、5月31日からの名人戦第5局に最年少名人、史上2人目の七冠をかけて渡辺明名人に挑みます。

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