エンゼルスの大谷翔平選手ですが、今日は投手として登坂し、打者としても特大の9号ホームランを放ちました。開幕から1ヵ月半、まずは順調なスタートと言えます。その大谷選手の愛読書「運命を拓く」を読んでみました。
「運命を拓く」は中村天風氏の死後、会員向けの講演をまとめたものです。
天風氏の根本的な考え方は「万物の霊長たる人間の心は宇宙本体と結びついている」ということです。よって、その心掛け次第で人生が好転したり暗転したりするという。そして好転するには常に心を積極的に保つことで、生き方が悪いと病気になり、運命も悪くするそうです。
この辺りに関しては個人的には解せないところです。では若くして病気になり亡くなった方は生き方が悪かったのか?それこそ運命的なものではないのかと。しかし天風氏は「病気や運命が悪い時こそ、今までの生き方を変えるチャンスと思え」と言う。自ら結核にかかり、その時にヨーガの聖人と出会い「自分は大宇宙の力と結びついている強い存在」と悟りを開いた経験が彼に限りない自信を与えました。
また、宇宙の造物主(宇宙霊)の心は心・善・美で、真は誠、善は愛情、美は調和のことであり、愛情と言っても恋愛や自己愛ではなく、もっと広い意味での人類愛的なものを指しています。だから、自分に良いことが起こるために神や仏にすがることを天風氏は嫌っています。
ただ、「心で考えていることがそのまま形となって現れる」というのは頷けるところもあります。私もそうした経験がありますから。
とにかく天風老師(この講演時、推定90歳位)はエネルギーの塊のような人です。本を読んで納得のいく話、いかない話、両面ありましたが、この本は一度限りで読み捨ててはいけない類いの本だということは分かります。何度も読み返して、深く理解しなければ身に付かないタイプのものです。