竜王戦第4局が11月10・11日に行われ、藤井聡太竜王が129手で伊藤匠七段に勝ち、4勝0敗で竜王位を防衛しました。調べたところ、竜王3連覇は9連覇の渡辺明、3連覇の藤井猛に次いで史上3人目です。谷川浩司も羽生善治も成し遂げていません。あくまでも私が調べたところですけど。
竜王戦全体を通して、藤井竜王の安定感が際立ちました。伊藤七段も藤井得意の角換わりを受けるなど、若者らしく真っ向勝負を挑みましたが、及びませんでした。しかし、共に21才の同学年。二人の戦いはまだ序章に過ぎません。
竜王戦全体を振り返って、藤井さんが珍しく「第3局は上手く指せた」と自画自賛していました。その対局を見直したのですが、ひとつ間違えば、伊藤さんが勝ちになる際どい勝負でした。
それを藤井さんが針の穴を通すようなコントロールで見事に勝利をものにした内容でした。彼の将棋に対する理想の高さを改めて感じました。
タイトル戦19期連続勝利は、あの昭和の巨人、大山康晴十五世名人に並びました。すでに歴代棋士の中でも、藤井最強説が有力になりつつあります。あとはどこまで持続させるかで、また評価は変わってくるかもしれません。
そして、誰が最初に藤井聡太を倒すのかに注目が集まります。永瀬か、伊藤匠か、それともまだ見知らぬ棋士か?デビューから29連勝の時は空前の藤井フィーバーが起こりましたが、今後は彼が負けた時に大きなニュースになります。強者の宿命ですね。
ただ、個人的には藤井さんを中心に将棋界が回っていくのがベストだと思います。竜王戦第4局で彼が食べたおやつは、普段の30倍の注文が殺到しているそうです。これだけスター性を持った棋士は他にいません。今日、総理大臣顕彰の授賞式があるようですが、岸田総理もこの人気は羨ましいでしょうね。藤井君の言葉をノートにメモしておいた方がよさそうです。