ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

「どうする家康」 有村の「瀬名」、北川の「淀君」

2023-11-24 12:43:50 | ドラマ

私が初めて見た大河ドラマは滝田栄主演の「徳川家康」です。あれから40年。戦国好きなので、今年の「どうする家康」もおおよそ視聴しています。日本シリーズで2週間ほど遠ざかりましたが、まだ関ヶ原は終わってなかったので、秀吉の死後から関ヶ原に至る過程を丁寧に描いていたようです。

 

主演の松本潤ですが、信長に白兎と呼ばれる気弱な家康でスタートしたので、綺麗な顔立ちの松本さんは似合っていたのではないかと。それなりに新たな家康像を形成しつつあるのではないでしょうか。個人的には本田正信役の松山ケンイチの脱力演技が気に入っています。

 

ドラマとしての評価は5段階中3といったところ。昔の合戦シーンの迫力は近年は全くありません。これは現在の放送コードが厳しく、仕方のないところです。

それよりも、家康と正室の瀬名の描き方に違和感がありました。彼らが別居しているのは仲が悪かったからですが、ここでは瀬名が息子夫婦が心配だからという理由で別居しているのです。家康と瀬名は仲睦まじいと。

そして、こともあろうに瀬名が「争いのない平和な世」という当時としては考えにくい理想を掲げ、その理想に武田方の一部が賛同するという荒唐無稽な話をこしらえました。

何故こうなったかと言えば、脚本家がお花畑が好きだったからか?いや、それよりも瀬名役が有村架純だったからではないかと思います。私は有村さんは好きな女優ですが、彼女は対立とか、切迫感を表現するのが苦手です。そのため、苦肉の策として、こうした脚本にしたのではないかと推測します。

また本能寺の変の描き方も中途半端でした。本能寺は男優の大きな見せ場。信長役の岡田准一も不完全燃焼の思いはあったかもしれません。明智の大軍を前にわずかな手勢を率い、信長奮戦もついには矢つき刀折れ、「人間50年、化天の内をくらぶれば」と舞って、城に火を放つまでの流れは、もはや様式美にまで昇華しています。このシーンがないのはいかにも寂しい。

 

放送も残りわずかとなりましたが、淀君役の北川景子に期待したいです。これまで夏目雅子、樋口可南子、松たか子、竹内結子ら幾多の名だたる女優が演じてきました。

北川さんは淀君の気性の激しさやプライドの高さを上手く表現しています。この後、大阪の陣にかけて、男勝りな反面、女性としての弱さや、三度目の落城の悲哀をどこまで表現できるかに期待したいです。

 

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