八月十六日(土)晴れ。
家にいるのは、子供と私だけ。朝食を作るのが面倒なので、中華街の「安記」にお粥を食べに行こうということになった。「安記」に初めて行ったのはどのくらい前かと覚えていないぐらい、ずーっと前のことだ。お店のある香港路は中華街の中で、一番中華街らしい。絵ハガキにもなっているくらいだ。
「安記」は午前十一時までは、お粥の他には「モツ皿」「レバ皿」「焼売」ぐらいしか料理はない。私の好物の「イカといんげん炒め」やその他の料理を食べたい時は十一時過ぎに行く方が良い。
食後は、事務所に郵便物の確認に行ってから高島屋で開催されている「ヨコハマグラフティー・ザ・ゴールデンカップスの時代展」に行った。お客さんの多くは私の同世代の人たちばかりだ。パネルの写真に写っている人たちのほとんどが知り合いなので、子供に説明をしながら見ていたら、真面目を絵に書いたような風采の上がらないおっさんから声を掛けられた。「私の学生時代はヘルメット被ってデモばかりやっていましたので、こういう青春はありませんでした」。ちょっと前までは飲み屋に行くとこういうことを言う連中が必ずいたものだ。
余ほど、「あんたが学生運動をやっていた頃よりも、政治も世の中も良くなっているのかい。今からだって戦うのは遅くねぇよ」。と言ってやろうとも思ったが、面倒なのでやめた。サリーやジュンコさんの十代の頃の写真があって、子供が驚いていた。帰り際に、横浜関係の本を三冊とゴールデンカップスの缶バッヂを買った。買った本の中の一冊は、多分以前に読んだことがあると思うが、事務所にあれば誰かにあげるつもりで買ってしまった。
缶バッヂは社友でバンドをやっている長野の伊藤さんにプレゼントするために買った。伊藤さんと私は同じ歳である。
そごうの地下で夕食の肴を買ってから帰宅。子供と二人、静かな夜を過ごした。