一月十二日(土)晴れ。
一月は、酒も随分飲んだが、本もそこそこ読んだ。若い頃は、諸先輩に刺激されて、月に十冊ほどのノルマを決めて読んでいた。北海道に留学中は、月に三十冊のノルマを課して、一人一殺ではなく、一日一冊を目標に約四年、乱読の時を持った。私の勝手な解釈であるが、陸上の長距離も読書もまずは体力をつけることが必要と思う。読書を重ねて行くうちに難しくて読めなかったような本も読めるようになるから不思議だ。若い頃に小泉信三の『読書論』(岩波新書)と出会ったおかげで、読書に対する姿勢が変わった。
ただ最近は、目が疲れてついウトウトしてしまうことが多くなった。かつてのように「目的」をもって読書するのではなく、読みやすい本のみを読んでいる。それでも楽しいことに変わりはない。今の時期に本を読んでいると、江戸時代の朱子学者の菅山茶の「冬夜書を讀む」が浮かぶ。
雪は山堂を擁して 樹影深し
檐鈴(えんれい)動かず 夜沈沈
閑かに亂帙(らんちつ)を收めて 疑義を思う
一穗の青燈 萬古の心
訳・雪が山中の家をうずめ、樹木も雪に深く掩われている。風もやみ軒の風鈴も動かず、夜は沈々とふけてゆく。静かにとり散らかした書物を整理しながら、疑問の箇所を考えつづけていると、稲穂のような青白い灯火が、大昔の聖賢の心を照らし出してくれるように思われてくる。(関西吟詩文化協会)
夜は、「しゃぶしゃぶ」を家族で。低予算ビックな企画だった。酔狂亭の夜は和やかに更けて行った。
一月は、酒も随分飲んだが、本もそこそこ読んだ。若い頃は、諸先輩に刺激されて、月に十冊ほどのノルマを決めて読んでいた。北海道に留学中は、月に三十冊のノルマを課して、一人一殺ではなく、一日一冊を目標に約四年、乱読の時を持った。私の勝手な解釈であるが、陸上の長距離も読書もまずは体力をつけることが必要と思う。読書を重ねて行くうちに難しくて読めなかったような本も読めるようになるから不思議だ。若い頃に小泉信三の『読書論』(岩波新書)と出会ったおかげで、読書に対する姿勢が変わった。
ただ最近は、目が疲れてついウトウトしてしまうことが多くなった。かつてのように「目的」をもって読書するのではなく、読みやすい本のみを読んでいる。それでも楽しいことに変わりはない。今の時期に本を読んでいると、江戸時代の朱子学者の菅山茶の「冬夜書を讀む」が浮かぶ。
雪は山堂を擁して 樹影深し
檐鈴(えんれい)動かず 夜沈沈
閑かに亂帙(らんちつ)を收めて 疑義を思う
一穗の青燈 萬古の心
訳・雪が山中の家をうずめ、樹木も雪に深く掩われている。風もやみ軒の風鈴も動かず、夜は沈々とふけてゆく。静かにとり散らかした書物を整理しながら、疑問の箇所を考えつづけていると、稲穂のような青白い灯火が、大昔の聖賢の心を照らし出してくれるように思われてくる。(関西吟詩文化協会)
夜は、「しゃぶしゃぶ」を家族で。低予算ビックな企画だった。酔狂亭の夜は和やかに更けて行った。