白雲去来

蜷川正大の日々是口実

手のつかぬ月日ゆたかや初暦

2020-02-08 14:48:32 | 日記
二月一日(土)晴れ。

月が替わった。我が家の各部屋にあるお気に入りのカレンダーをめくる。一番のお気に入りは、JALから送って貰っている各国の美女シリーズの物である。私はひそかに「カレンダーガール」と呼んでいる。他のカレンダーは、用事が書き込めるような事務的なものである。

カレンダーの月が新しくなるたびに、吉屋信子の「手のつかぬ月日ゆたかや初暦」という句を思い出す。向田邦子さんの『霊長類ヒト科動物図鑑』の中に「車谷弘氏の名著『わが俳句交遊録』の中でこの句を見つけた」とあったので、以前に早速取り寄せて読んだ。初暦ではないが、月が替わり、カレンダーの頁をめくるたびに、その句が浮かぶ。

新聞か雑誌の書評かは失念したが、書評を読んで、『科挙ー中国の試験地獄』(宮崎市定著・中公新書)を買った。驚いたのは、1963年5月の初版以来、昨年までに65版も重ねていることだ。凄いなぁー。科挙とは、中国で598年~1905年、即ち隋から清の時代まで、約1300年間にわたって行われた官僚登用試験である。 この科挙に挑戦するためには、前段階で幾つもの試験を経なければならない。それがどんなに大変な事なのかは、アホな私には言い表せない。

中華街に、状元楼というお店がある。個人的にはあまり馴染みのない店だが、そのお店の「状元」とは、中国の科挙制度で最終試験(唐朝では省試、宋朝では殿試)で第一等の成績を修めた者に与えられる称号の事である。今度、そこで食事をしたら、幾らか頭が良くるかもしれない。


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