白雲去来

蜷川正大の日々是口実

『オーパ』を買ったのは昭和58年だった。

2021-04-19 17:51:39 | 日記

4月15日(木)晴れ。

先日購入した『開高健とオーパ!を歩く』の中に「突堤から数人の子供たちが同時に河へ飛び込んでいる瞬間のストップモーション(34頁)」というキャプションがたくさん出てくるので、事務所の書棚から『オーパ』を持ってきた。A四判、200頁のずしりとしたその本を開くのは何年ぶりだろうか。買った当時は、最終頁の余白に、その本を読んだ時の出来事がメモ的に書くのが癖だった。ある友人が、「そうやって本を汚すと、古本屋に売れなくなるよ」と忠告をしてくれたが、もとより自分の本を読み終えたからといって古本屋などに売る気など毛頭ない。たとえ「雑本」と言われるような本であっても、ある一時期、楽しませてくれたり、勉強になったりしたことのある本は、手放す気にはなれない。

『オーパ』の最終頁の余白には、「昭和58年(1983)の4月23日」と書いてある。奥付を見ると初版が1978(昭和53年)で、私の買ったものは1981年の第19刷版。すごいなぁー発売から3年で19刷も版を重ねている。「昨日、有隣堂にてこの本と、岩波の『釣りの科学』の二冊を買う。読み始めると、写真の素晴らしさもあるが、これから一生自分では体験することのできない、釣りと土地とに頁をめくるたびに胸をときめかせながら、無気力と酒の魔力に負けて近場の小魚とも遊ぶことのできない今の自分を反省しつつ、グラビアに心を奪われる」。私は32歳だった。しばらく「オーパ」で楽しめそうだ。

 


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