6月21日(火)曇り。
朝食は、サバの文化干し、納豆の山わさび入り、新玉ねぎの味噌汁。昼は抜いた。夜は、カツオのたたき、蒸し鶏、小エビのフリッター。体調を考えて「スーパードライ」のロング缶二本でやめた。
『週刊文春』の6月16日号の林真理子さんのコラム「夜ふけのなわとび」の中に、飛行機の機内誌に帝国ホテルの社長犬丸一郎さんが、ローマの名門ホテル「ハスラー」を案内するグラビアを見て、林さんはあるパーティーの席で犬丸さんとお会いした時に、「今度、ローマに行くのですが、ハスラーを紹介してもらえませんか」と頼んだことが書いてあった。それを読んでとても懐かしくなった。
私が野村先生のお供をしてローマに行ったのは、もう今から30年も前の平成4(1992)年の9月のこと。モスクワ経由でローマに着いた時はすでに日が落ちていて、空港から何処にも寄らずにホテルにチェックインした。ローマでの宿はハスラー。スペイン階段の上、有名なエジプトのオベリスクやフランスのシャルル八世によって作られたトリニタ・ディ・モンティ教会の隣にありローマでは最高の場所で、その景色がそのまま絵葉書となっている。当時は、ハスラーがそんな伝統のある高級なホテルとは知らず、エレベーターは狭いし、古風だが使い勝手の悪いホテル、という印象しかなかった。それでも朝起きて、窓から眺めた初秋のローマの街の景色に見とれ、感動で涙が出たことを昨日のことのように覚えている。
ローマの景色も変わらず、写真に写っている先生も58歳のままだ。思い出と感傷に浸っている私だけが確実に老いて行く。※ハスラーの部屋で。