七月三十日(金)雨。
いやはや久し振りの雨である。我が陋屋は安普請のせいか、雨の音で目が覚める。少しは涼しくなって良い。朝食後は、自宅で仕事。「実話ドキュメント」の連載原稿を脱稿。とりあえず今月のノルマを全てこなした。
午後から事務所。鈴木邦男さんが、「月刊タイムス」という雑誌に連載している「三島由紀夫と野村秋介」が単行本になるとのことで、出版社の方が、野村先生の写真を借りに、事務所に来る。午後一時、担当者の方二名が来訪。野村先生の写真の打合せを行い。一時間ほどで終了。
先日購入した「池波正太郎の美食を歩く」(詳伝社)を読んでいたら、中華街の何度か行ったことのある店が出ていた。地元の遊び人の間では、今では殆ど評価のされていない店に、少々拍子抜けがした。こういった本を読むたびに、違和感を覚えるのは、地元の人と、他県の人との「味」と贔屓の「店」のギャップだ。
確かに、池波先生が横浜にいらしたときには、餃子やラウメンは、中華街が美味かったかもしれない。それは、その品物の味そのものよりも、横浜の中華街という場所と雰囲気が、料理の味を増していたのだろうと思う。
今では、餃子やラーメンなどは、中華街などよりもどこの街にでも、美味い、自慢の店がいくらでもある。大体、地代の高い中華街で、ラーメンだけ食べたり、餃子のみを食べて帰っては失礼と言うものだ。池波先生の通った時代の、おおらかな中華街の店など、残念ながら皆無に等しい。シュウマイも、崎陽軒のシュウマイの味の基礎となったと言われている?「清風楼」のものは、保存料を一切使用していないので、地方発送はお断りなので、地元の人しか知らないかもしれない。普段、スーパーなどで売っているシュウマイと比べると、一個の値段が三倍近くする。
多少、格好のつく個数のものを土産に持たせるとなると、五千円から七千円程度のものでないと、貧乏臭いので、中々、お使い物には使えない。
私は、餃子関係は、蒸し、水、焼きも、中華街入り口の「北京飯店」の物がショウロンポウとも好きだ。シュウマイは、最近では「安記」がいい。
良く、友人から、「中華街のどのお店が美味しいですか」と聞かれるが、正直言って、不味い店などない。皆、それなりに美味い。しかし、何を食べるかが問題で、メニューが分からなくて、美味いも、不味いもない。たまに、地方の人と中華街で食事をすると、「エビチリ」や「牛ピー」などが出ないと、文句を言われることがある。(連れの女性に多い)そんな物は、わざわざ中華街で食べなくとも、日本中の中華屋で食べられる。私としては、せっかく来たのだから、季節の珍しい物を食べてもらおうとするのに、ガッカリさせられる。
中華街も、段々老舗が店を閉めて寂しい観がある。夜は、友人が来訪して、わが家で一献会。頂き物の、「うなぎの白焼き」で一杯やったが、このうなぎの美味いのなんのって。たまげました。