なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

症候性てんかん

2021年01月27日 | Weblog

 今日、糖尿病で通院している48歳男性の診療情報提供書が、地域の基幹病院脳神経内科から来ていた。

 

 昨年8月にけいれん発作で先方の病院に救急搬入された。けいれんの治療がなされて、頭部CTで右前頭部の陳旧性脳梗塞を認めた(新規の脳血管障害はなし)。

 3~4年前から性格が粗暴になり、暴力をふるうようになっていた(家族の話)。それは脳梗塞の影響と判断されていた。

 7年前から当院に糖尿病・高血圧症で通院していた。HbAc1が9%くらいで、悪化すると10数%になっていた。4年前に中断して、3年前には臀部膿瘍で外科に入院して、糖尿病の治療を当時いた内科の若い先生がしていた。退院後はまたすぐに中断した。治療中断は脳梗塞による影響があったのだろうか。

 昨年9月に糖尿科からの診療情報提供書が来て、脳神経内科に陳旧性脳梗塞・症候性てんかんで入院したこと、糖尿病科は往診で介入したことが記載されていた。(性格的な問題があるということで、地域医療連携室が当方に持ってきた)

 入院中はDPP4阻害薬に速効型インスリンのスケールで対応していたが、退院時はDPP4阻害薬のみ処方しているので、あとはよろしくという内容だった。

 脳神経内科に入院して経緯と、処方内容も記載されていたが、脳神経内科からの診療情報提供書は来ていなかった。処方は抗血小板薬(バイアスピリン)と抗てんかん薬2種類だったので、そのまま継続した。

 紹介で受診した時は、HbA1cが12.7%だった。服薬管理があやしいのでなるべく朝だけの処方にしたいこと、経済的に安価な処方を希望していることを考えて、DPP4阻害薬にごく少量のSU薬(グリクラジド20㎎)というちょっと古典的な処方にした。HbA1cは順調に低下して、今日はHbA1c7.0%になっていたので、グリクラジドを10mgに減量した(できればDPP4阻害薬だけにもっていきたい)。

 

 脳神経内科からの診療情報提供書には、てんかんについてこれまで外来フォローしてきたが、後はそちらでよろしく、という内容だった。患者さんはけいれん発作後に車の運転ができなくなったことを嘆いていた。2年発作がないことを証明しないと運転できないことは、わかっていた。2年経過して運転許可の時にまた脳神経内科に相談することにした。

(画像添付がなかったので、頭部CTは当院施行)

 

 診療情報提供書(糖尿病科からの)に、けいれん発作で救急搬入された時に、ロラゼパム・レベチラセタムで治療とあった。ロラゼパムは静注薬のロラピタだろう。当院では使用経験がないが、2019年に発売されていた。ジアゼパムよりいいのだろうか。

 

 

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