山間の隣町の診療所から昨年12月28日に、91歳女性が紹介されてきた。2日前から発熱が続いて、以前から膀胱炎で治療していたこともあり、尿路感染症(急性腎盂腎炎)疑いとあった。
内科の若い先生が診察した。症状は発熱と腰痛だった。白血球9000・CRP7.3と炎症反応の上昇がある。尿所見はWBC5-9/HPF・WBC5-9/HPFで細菌(3+)と尿路感染症と言えるような言えないようなというものだった。肺炎はない。
CT(骨条件)でL1・2の圧迫骨折があり、腰痛はそのためと思ったようだが、つい最近に発症したわけではない。発熱・腰痛だと、感染症としては脊椎炎になる。
圧迫骨折の新旧を診るためと、化膿性脊椎炎の有無を診るために、胸腰椎MRIを追加してもらった。培養は尿培養と血液培養2セットを提出してもらう。
入院後にセフトリアキソン点滴静注を開始して解熱した。白血球3300・CRP0.8と炎症反応も改善した。年末年始で放射線科の読影レポートが年始に出てきた(大学病院放射線科の遠隔診断)。胸椎(Th10)に炎症所見があり、周囲にも信号上昇があり、化膿性脊椎炎疑いとあった。
尿培養からは大腸菌が検出されたが、血液培養2セットは陰性だった。化膿性脊椎炎として抗菌薬長期投与が必要になる。とりあえずはセフトリアキソンをさらに1週間は継続して、計6~8週間投与になるので、内服にするかどうかはその後に考える。もっとも血液培養が陰性なので、内服はケフレックス?。可能なら点滴静注6週間でいきたい。
心エコーで疣贅の有無を確認してもらうことにした。